精油の中には、"血圧を上げるので高血圧の方は禁忌" と言われるものがあります。逆に、"血圧を下げるので低血圧の方は控えたほうがいい" というものもあります。 アロマ精油は、リラックス効果やストレス軽減に役立つ芳香療法として広く知られています。しかし、精油には血圧に影響を与えるものもあり、高血圧や低血圧の方は注意が必要です。アロマを安全に楽しむためには、どの ...
アロマ精油と血圧の関係|高血圧・低血圧におすすめ&禁忌の精油
個人的には精油を単品で使うことはほとんどないのですが、実際、単品で香りをかいだとき、短時間(10秒)でどれくらい血圧に影響があるんだろうと思い、測ってみることにしました。ついでに脈拍も載せています。
香りをかいだとき、脳が香りを認識する速度は0.15〜0.2秒といわれています。ちなみに、痛覚に対しての反応は0.9秒だそうです。
痛覚を認識する速度と比べると、香りを認識する速度がめちゃくちゃ速いということが分かります。
精油1本で簡単に手軽にリラックス・リフレッシュできれば、ストレスを感じたとき、頭がぼーっとするときなど、サッと芳香浴して解消できるかもしれません。
▷ 血圧を上げる精油、下げる精油とは?
▷ 測定方法
▷ 精油の香りは血圧に影響する?個人的に測ってみた結果
▷ 結果からのまとめ
血圧を上げる精油、下げる精油とは?
血圧を上げるとして、"高血圧の方には禁忌" と言われている精油が、ローズマリーやユーカリです。
また、"低血圧の人がかぐと頭がぼーっとすることがあるから控えた方がいい" と言われているのが、イランイランやラベンダー、スイート・マージョラムの精油です。
いずれも長時間・高濃度で使わないようにと注意されています。
ただ、ローズマリーにはカンファー、シネオール、ベルベノンというケモタイプがあります。ユーカリにも、グロブルス、シトリオドラ、ラディアータというケモタイプがあります。
一口にローズマリー、ユーカリといっても、芳香成分の含有量が異なるものもあり、それによって香りや効能にも違いが出てくるので、これは1度かいでみたり使ってみて違いを確認すると良いと思います。
測定方法

1. 椅子に座って落ち着いてから、精油の香りをかぐ前の血圧・脈拍測定。
2. 精油を1滴ティッシュ(またはムエット)に垂らし、10秒間香りをかぐ。
3. 香りをかいでから30秒後、血圧・脈拍測定。
※ 色々な香りに影響されないように、午前と午後に分けて計測しました。
※ 血圧計は家庭用の上腕式カフ型を使っています。
※ 使用精油:生活の木、フロリハナ
精油は手持ちにあるもので試したので、ちょっと少ないですが、新しい精油を使うときはそのつど追記していきます。
実際、血圧と脈拍の変化も見ることができるので、どの精油がリラックス向きの精油なのか、集中力アップ・リフレッシュ向きの精油なのかが何となく分かります。
ただ、香りの好き嫌いや体調によっても数値は変わるし、個人的な結果なので、軽い気持ちでご覧ください。
精油の香りは血圧に影響する?個人的に測ってみた結果
今回使用した精油の特徴については、それぞれの「精油名」をクリックすれば閲覧できるようになっています。気になった精油があればチェックしてみてください。
精油名 | 血圧・前 | 血圧・後 | 脈拍・前 | 脈拍・後 |
アカマツ・ヨーロッパ | 93/67 | 94/64 | 81 | 78 |
イランイラン | 104/68 | 96/64 | 75 | 72 |
オレンジ・スイート | 102/57 | 96/64 | 64 | 62 |
カモミール・ジャーマン | 97/66 | 93/63 | 75 | 75 |
カユプテ | / | / | ||
クラリセージ | 97/63 | 94/63 | 69 | 65 |
グレープフルーツ | 97/61 | 97/65 | 72 | 73 |
クローブ | 88/63 | 90/62 | 88 | 60 |
サイプレス | 93/62 | 95/66 | 72 | 73 |
サンダルウッド | 101/69 | 99/68 | 72 | 73 |
ジュニパー | 98/63 | 94/67 | 75 | 73 |
スイート・マージョラム | 91/64 | 92/66 | 75 | 75 |
セージ | 88/64 | 90/66 | 78 | 75 |
ゼラニウム | 94/61 | 91/61 | 71 | 66 |
タイム・リナロール | / | / | ||
ティートリー | 101/59 | 104/69 | 72 | 73 |
トンカビーンズ | 91/59 | 94/58 | 78 | 80 |
ニアウリ | / | / | ||
ネロリ | 92/59 | 97/64 | 67 | 71 |
パチュリ | 97/66 | 82/66 | 78 | 75 |
パルマローザ | 107/64 | 102/63 | 71 | 68 |
プチグレン | 104/65 | 91/64 | 73 | 75 |
ブラックペッパー | 98/60 | 98/68 | 69 | 71 |
フランキンセンス | 95/61 | 94/61 | 75 | 78 |
ペパーミント | 100/67 | 94/58 | 72 | 75 |
ヘリクリサム(イモーテル) | 104/64 | 104/62 | 76 | 73 |
ベルガモットFCF | 96/60 | 97/64 | 71 | 73 |
ベンゾイン | 94/64 | 92/66 | 75 | 78 |
ホーリーフ | 98/73 | 89/68 | 76 | 70 |
マンダリン | 92/58 | 100/61 | 74 | 76 |
ミルラ | 88/63 | 95/66 | 71 | 77 |
ユーカリ・グロブルス | 87/66 | 92/69 | 77 | 72 |
ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ) | 93/63 | 93/60 | 72 | 71 |
ユーカリ・ラディアータ | 97/59 | 91/64 | 71 | 68 |
ラベンダー | 102/66 | 98/65 | 71 | 68 |
ラヴィンツァラ(ラヴィンサラ) | 98/71 | 102/72 | 71 | 72 |
レモンFCF | 102/63 | 99/63 | 72 | 72 |
レモングラス | 88/60 | 91/65 | 72 | 74 |
ローズマリー・カンファー | 93/63 | 103/65 | 73 | 76 |
ローズマリー・シネオール | 87/62 | 88/60 | 71 | 68 |
ローズマリー・ベルベノン | / | / | ||
ローレル | 91/62 | 93/67 | 76 | 73 |
結果からのまとめ
今回は単品の精油で10秒香りをかいだ結果、血圧と脈拍にどれくらいの変化があるか計測してみました。
測定前より血圧が上がった精油は、脈拍も増えていますが、いずれも微増で、いきなり上昇することはないようです。血圧が下がった精油も同じく、急激な低下はありませんでした。においをかぐ時間やその後の計測するまでの時間を長くしたら、また結果が違ってくると思います。
おもしろかったのが、一般的に鎮静作用や血圧降下作用があるとされるネロリやミルラ、マンダリンで、血圧・脈拍ともに↑していたことです。
また、パチュリで血圧・脈拍ともに↓したのは、「"少量" 使用で鎮静作用がある」というパチュリの効能にも当てはまりました。ちなみにパチュリは日を改めてもう1度測りましたが、血圧98/62 → 90/59、脈拍83 → 80と、やっぱり↓でした。
また、ユーカリはケモタイプでグロブルス、シトリオドラ、ラディアータがありますが、シトリオドラ、ラディアータでは血圧↑がみられませんでした。
精油の効能・期待できる効果だけをみても、実際香りをかいでみたり、使ってみると、印象が違うことがたまにあります。体感としては、たった10秒でも血圧・脈拍の増減に関係なく、リラックス・リフレッシュできたような気がします。逆に、鎮静作用が期待できる精油の香りをかいでも、自分にとって苦手な香りの場合は全然リラックスできず、血圧も上がりました。

血圧は下がったものの、頭の中がクリアになったと感じたのはペパーミントです。ローズマリー・カンファーより香りもマイルドだし馴染みがあるので、初心者でも使いやすいと思います。
ホーリーフやホーウッドは今後、ローズウッドの代わりに使う機会が増えるであろう精油です。ラベンダーよりリナロールを多く含み、測定前後の結果をみても、鎮静作用に優れていることが分かります。
とりあえず、精油の禁忌や注意事項でよく目にする『ローズマリー(特にカンファー)やユーカリ・グロブルスは血圧を上げる』ということと、『イランイランやラベンダーは血圧を下げる』ということがわかりました。

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この記事を書いた人

主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。