桜餅のにおい、杏仁豆腐のにおいといえば、トンカビーンズ。
今回は、トンカビーンズ精油と相性の良い精油を使ったブレンドのコツをご紹介します。
トンカビーンズの主要成分「クマリン」は、医薬品の有効成分としても使われていて、食事等で摂取する場合は、血の巡りを改善する働きや、抗菌作用、抗酸化作用、ホルモン様作用、むくみ改善などが期待できます。
が、今回ご紹介するトンカビーンズ精油は食べられませんし、アロマトリートメント(マッサージ)など肌に使うこともないので、これらの効能はあまり期待していません。
代わりに芳香浴やスプレー作りで、クマリンのリラックス効果や、香りの固定・ベースノートとしての役割を活かした、失敗しないブレンドのコツをご紹介します。
◆ トンカビーンズ精油|学名、香り、抽出法、主要成分
◆ トンカビーンズ精油|禁忌・注意事項
◆ トンカビーンズとブレンドの相性が良い精油
◆ トンカビーンズと他精油とのブレンド 失敗しないコツは?
◆ まとめ
トンカビーンズ精油|学名、香り、抽出法、主要成分
トンカビーンズAbs.(アブソリュート=有機溶剤抽出)
【学名】Dipteryx odorata
【科名】マメ科
【抽出部位】種子
【抽出方法】溶剤抽出法
【オイルの色】薄い茶色
【香り】桜餅や杏仁豆腐を連想させる香り。暖かみがあり、パウダリーな印象。
【成分】クマリン(ラクトン類)
トンカビーンズ精油は、アルコールで10%〜30%に希釈されているものが一般的です。
トンカビーンズ精油|禁忌・注意事項
フェイス/ボディトリートメント(マッサージ):×
妊娠中・授乳期:×
芳香浴:◯
ルームスプレー作り:◯
香水作り:◯
トンカビーンズとブレンドの相性が良い精油
◎ グレープフルーツ
◎ レモン
◎ バニラ
◎ サンダルウッド
◎ パチュリ
◎ フランキンセンス
◎ イランイラン
◎ ゼラニウム
◎ ジャスミン
◎ ネロリ
◎ ラベンダー
◎ ローズ
◎ ティートリー
◎ ブラックペッパー
トンカビーンズと相性の良い精油がブレンドされたアロマスプレーもあります。トンカビーンズそのものの香りは感じられませんが、"ブレンドするとこんな感じか〜" と参考になるのではないでしょうか。
トンカビーンズと他精油とのブレンド 失敗しないコツは?
トンカビーンズ精油とブレンドするときは、相性が良い精油から1滴ずつ足して香りを確認しながらブレンドするのがコツ。
例えば、
トンカビーンズAbs.:4滴
ゼラニウム:1滴
なら、ゼラニウムのフレッシュなバラのような香りの中に、桜餅の葉の香りも感じられます。さらに
レモンFCF:1滴
を加えると、桜餅の香りの中に、レモンとゼラニウムのフレッシュな酸味と甘さもしっかり感じられる香りになります。
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■ ブレンド失敗例
トンカビーンズは単品だと桜餅や杏仁豆腐の香りですが、ブレンドする精油によっては、薬くさくなったり、全くトンカビーンズの香りが感じられなかったりします。
例えば、
でアロマスプレーを作ったら、大正漢方胃腸薬のようなにおい(シナモンに似てる?)になりました。
また、
で香水を作ったら、トップはイランイランのエキゾチックな甘い香りがほとんどで、だんだん甘酸っぱい花の香り(ゼラニウム>ラベンダー)になります。トンカビーンズやパチュリの香りはほとんど感じません。ベースはパウダリーな優しい甘さのイランイランとゼラニウムの香りです。トンカビーンズは・・・ たぶん、このパウダリーな感じがそうなんだと思いますが・・・。
ただ、パウダリーではありますが香りが長続きします。ブレンドに使う精油の種類が多いときは、トンカビーンズの香りを期待するのではなく、保留剤として使うと良さそうです。
・・・極端ではありますが、香りが失敗・微妙になった例です。
まとめ
トンカビーンズ精油は溶剤抽出法で抽出しているので、トリートメントやフェイスケアに使うことはおすすめできません。お肌に使うより、香りを楽しむほうが向いている精油です。
単品で芳香浴も良いですが、桜餅のような、杏仁豆腐のようなトンカビーンズならではの香りを楽しめる、スプレーや香水作りに取り入れてみてはいかがでしょう。