歯の痛みにクローブ精油|効果・成分・使い方・ブレンド相性までわかる完全ガイド

歯の痛みにクローブ精油|効果・成分・使い方・ブレンド相性までわかる完全ガイド

歯がズキズキする…でも、すぐに歯医者に行けない…。

そんな時に一時的な痛みの緩和を目的として使えるのが、自然由来の「クローブ精油」です。

古くから天然の鎮痛・殺菌成分として使われてきた「クローブ精油」は、歯や歯ぐきのケアに役立つ、実力派のアロマオイルです。

この記事では、

クローブ精油の働き(なぜ歯に効くのか)
主成分「オイゲノール」のちから
自宅でできる使い方と注意点
他精油との相性やおすすめブレンド例

などを、初心者の方にもわかりやすく解説します。

市販の鎮痛剤だけに頼らない、新しいケアの選択肢として、ぜひチェックしてみてください。

 

クローブ精油とは?基本プロフィール

クローブ精油とは?基本プロフィール

◆ 学名、抽出部位、抽出方法、香り

精油名クローブ
学名Eugenia caryophyllata
Eugenia caryophyllus
科名フトモモ科
和名チョウジ(丁子)
抽出部位花の蕾
抽出方法水蒸気蒸留法
原産国インドネシア、マダガスカル、スリランカ
オイルの色無色〜淡黄色
ノートミドル
香りスパイシーで力強い香り。わずかに甘さもある

Karisugi
はじめてクローブ精油の匂いを嗅いだときは、スモーキーで、いぶりがっこの香りにも似ていると思いました。単品使いだと好き嫌いが分かれる香りかな...という印象です。

心と身体への効果

精油の心と身体への効果

【心への効果】
・集中力の向上
・活力を与える
・温かく、心を落ち着かせる働き
・不安やストレスを和らげる

【身体への効果】
・抗菌作用
・殺菌作用
・抗真菌作用
・抗ウイルス作用
・抗酸化作用
・抗炎症作用
・鎮痛作用
・鎮静作用
・鎮痙作用
・麻酔作用
・消化促進作用
・血圧上昇作用
・免疫刺激作用
・駆風作用
・防腐作用
・体を温める
・害虫(ゴキブルなど)よけ
・口臭予防

クローブ精油が「歯の痛み」に効く理由

クローブは香辛料としてもおなじみですが、精油としては非常に強い殺菌・鎮痛作用を持ち、古くから口腔ケアに使われてきました。

◆ 主成分オイゲノールの鎮痛・抗菌作用

精油成分

クローブ精油の主成分「オイゲノール(フェノール類)」には、次のような作用があります。

鎮痛作用(神経の伝達を一時的にブロック)
抗菌・抗ウイルス作用(細菌の増殖を抑える)
抗炎症作用(腫れや赤みを抑える)

これが、虫歯・歯肉炎・歯の神経痛などの症状に対して働く理由です。

クローブ精油の成分詳細

● オイゲノール:82〜84%
● 酢酸オイゲニル:8〜11%
β-カリオフィレン:3〜5%
● カリオフィレンオキサイド:0.23%
● α-フムレン:0.47% 他

◆ 歯ぐきの腫れや虫歯の痛みにどう働く?

* 虫歯の痛み:神経の痛みを一時的に鎮静
* 歯ぐきの腫れ:炎症を和らげて痛み・熱感を軽減
* 抜歯後の不快感:殺菌+香りで清潔感と安心感を与える

クローブ精油を使ったアロマケア

クローブ精油を使ったアロマケア

◆ 歯の痛み緩和に|綿棒を使ったポイントケア

【手順】
1)1滴のクローブ精油を植物油(ホホバオイルやココナッツオイルなど)5mlに希釈(約0.5%)する。
2)綿棒に少量を含ませ、痛む歯の周囲(歯ぐきや頬内側)に塗布
3)5〜10分ほど置いたら、口を軽くすすぐ。

※ 粘膜に直接つけない、飲み込まないこと。

◆ マウスウォッシュで口腔ケア

【手順】
1)クローブ精油1滴とペパーミント精油1滴を、植物油(ホホバオイルやココナッツオイルなど)5ml(小さじ1)+ぬるま湯50mlで希釈する。
2)よく混ぜたら口に含み、30秒ほど口の中ですすいでから吐き出す(絶対に飲み込まない)。

※ 改めて水ですすぐ必要はありませんが、気になる方は軽くすすいでください。
※ 使用目安:1日2〜3回まで(刺激が強いため長期使用は避ける)。

いずれも応急処置としての使用方法(大人向け)です。長期使用、原液使用、頻回な口腔使用は厳禁です。
Karisugi

◆ 嗅覚トレーニングに

クローブ精油は、ユーカリレモンローズ(またはラベンダー)の精油といっしょに一般的な嗅覚トレーニングにも使われています。

嗅覚の低下を予防したい方や、嗅覚が鈍くなったと感じる方は、取り入れてみてはいかがでしょう。

◆ 虫除けやカビ対策に

【手順】
1)50mlスプレーボトル(ガラス遮光製推奨)に、無水エタノール5ml+クローブ精油2滴、ティートリー精油2滴、ユーカリ・シトリオドラ精油2滴を加えて混ぜ、最後に精製水45mlを入れてよく混ぜる。
2)シミが付かないか確認したら、カビ防止や虫除けにに使いたい場所にスプレーする。

他の精油との相性は?おすすめブレンド例

精油のブレンドの相性と活用法

◆ クローブ精油と相性の良い精油

【ハーブ系】
クラリセージペパーミント、ローズマリー(シネオールカンファー)

【柑橘系(シトラス)】
オレンジ・スイートグレープフルーツベルガモットレモンユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)

【花系(フローラル)】
ヘリクリサム(イモーテル)ラベンダースパイクラベンダーローズ

【樹木系(ウッディ)】
ユーカリ・グロブルスローレル

【樹脂系(バルサム)】
フランキンセンスミルラ

【スパイス系】
フェンネル

【エキゾチック系(オリエンタル)】
イランイラン

◆ おすすめブレンド例

ペパーミント×クローブで清涼感UP

* 冷却・鎮痛・消臭の相乗効果
* 歯ぐきの不快感を抑えたいときに◎

ティートリー×クローブで殺菌力を強化

* 感染予防・抗真菌作用をプラス
* 歯周病・口内炎にも応用可

ラベンダー×クローブで炎症+緊張を同時にケア

* リラックス+抗炎症
* 痛みによるストレスを和らげたいときにおすすめ

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使用時の注意点と禁忌事項

高濃度はNG!刺激性に注意
→ 芳香浴以外の原液使用はNG。植物油などで必ず希釈して使う。クローブ精油は皮膚への刺激が強いので、敏感肌の方は低濃度での使用がおすすめ。

妊娠中・授乳中・小児・ペットには使用を避ける
→ ホルモン系・中枢神経に影響する可能性があるため。ペット(犬や猫)にとっても刺激が強いため避ける。

粘膜使用は0.5%以下に希釈する
→ 粘膜は特に吸収が早いため、必ず植物オイルやジェルに希釈して使用。

精油だけに頼らない
→ クローブ精油は歯の痛みに対して“一時的に和らげる”補助的な自然療法としては有効ですが、虫歯や歯周病などの根本的な治療にはなりません。
以下のような症状がある場合は、すぐに歯科を受診しましょう:
* ズキズキとした痛みが続く。
* 歯ぐきが腫れている、膿が出ている。
* 熱がある、頭痛・あごの違和感を伴う。

クローブ精油は「応急ケア」には適していても、「治療」にはならないという認識が重要です。
Karisugi

まとめ|クローブ精油は自然な「痛みケア」の心強い味方

クローブ精油は、強力な自然の鎮痛・抗菌作用を持つアロマオイルです。その主成分オイゲノールの作用により、歯の痛みや炎症に対して一時的な和らげ効果が期待できます。

ただし、使用は短期的に限り、必ず薄めて使用することが前提です。

口腔内に使う精油は扱い方を間違えるとリスクもあるため、セルフケアは慎重に、安全第一で行いましょう。

そして何より、違和感を感じたら歯医者さんへ

アロマは、自然療法の選択肢の一つとして活用してください。

家族の健康を守るために、安全でやさしいアロマケアを学びたい方へ

高齢者や持病のある方にも配慮できる、安全な使い方・精油選び・禁忌の理解を、初心者でも無理なく学べる講座が多数あります。

自分や家族の不調に自然な方法でケアしたい
より専門的に精油を使いこなしたい
看護・介護などの現場でアロマを活かしたい

そんな方に役立つ講座を、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

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※ 精油(エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
精油は医薬品ではないため、薬の代わりや治療を目的に使用することはできません。当ブログに掲載されているのは一般的な精油の効果・効能であり、使用した人の心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。とはいえ、精油の芳香成分は、心身の健康に良い影響をもたらすことがわかっています。精油を使う際は、ご自身の体調や体質に合わせて取り入れてみてください。

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この記事を書いた人

この記事を書いた人Karisugi
主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。

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