歯がズキズキする…でも、すぐに歯医者に行けない…。
そんな時に一時的な痛みの緩和を目的として使えるのが、自然由来の「クローブ精油」です。
古くから天然の鎮痛・殺菌成分として使われてきた「クローブ精油」は、歯や歯ぐきのケアに役立つ、実力派のアロマオイルです。
この記事では、
クローブ精油の働き(なぜ歯に効くのか)
主成分「オイゲノール」のちから
自宅でできる使い方と注意点
他精油との相性やおすすめブレンド例
などを、初心者の方にもわかりやすく解説します。
市販の鎮痛剤だけに頼らない、新しいケアの選択肢として、ぜひチェックしてみてください。
▷ クローブ精油とは?基本プロフィール
・学名、抽出部位、抽出方法、香り
・心と身体への効果
▷ クローブ精油が「歯の痛み」に効く理由
・主成分オイゲノールの鎮痛・抗菌作用
・歯ぐきの腫れや虫歯の痛みにどう働く?
▷ クローブ精油を使ったアロマケア
・痛みの緩和に|綿棒を使ったポイントケア
・マウスウォッシュで口腔ケア
・嗅覚トレーニングに
・虫除けやカビ対策に
▷ 他の精油との相性は?おすすめブレンド例
・クローブ精油と相性の良い精油
・おすすめブレンド例
▷ 使用時の注意点と禁忌事項
▷ まとめ|クローブ精油は自然な「痛みケア」の心強い味方
クローブ精油とは?基本プロフィール

◆ 学名、抽出部位、抽出方法、香り
精油名 | クローブ |
学名 | Eugenia caryophyllata Eugenia caryophyllus |
科名 | フトモモ科 |
和名 | チョウジ(丁子) |
抽出部位 | 花の蕾 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
原産国 | インドネシア、マダガスカル、スリランカ |
オイルの色 | 無色〜淡黄色 |
ノート | ミドル |
香り | スパイシーで力強い香り。わずかに甘さもある |

心と身体への効果

【心への効果】
・集中力の向上
・活力を与える
・温かく、心を落ち着かせる働き
・不安やストレスを和らげる
【身体への効果】
・抗菌作用
・殺菌作用
・抗真菌作用
・抗ウイルス作用
・抗酸化作用
・抗炎症作用
・鎮痛作用
・鎮静作用
・鎮痙作用
・麻酔作用
・消化促進作用
・血圧上昇作用
・免疫刺激作用
・駆風作用
・防腐作用
・体を温める
・害虫(ゴキブルなど)よけ
・口臭予防
クローブ精油が「歯の痛み」に効く理由
クローブは香辛料としてもおなじみですが、精油としては非常に強い殺菌・鎮痛作用を持ち、古くから口腔ケアに使われてきました。
◆ 主成分オイゲノールの鎮痛・抗菌作用

クローブ精油の主成分「オイゲノール(フェノール類)」には、次のような作用があります。
鎮痛作用(神経の伝達を一時的にブロック)
抗菌・抗ウイルス作用(細菌の増殖を抑える)
抗炎症作用(腫れや赤みを抑える)
これが、虫歯・歯肉炎・歯の神経痛などの症状に対して働く理由です。
クローブ精油の成分詳細
● オイゲノール:82〜84%
● 酢酸オイゲニル:8〜11%
● β-カリオフィレン:3〜5%
● カリオフィレンオキサイド:0.23%
● α-フムレン:0.47% 他
◆ 歯ぐきの腫れや虫歯の痛みにどう働く?
* 虫歯の痛み:神経の痛みを一時的に鎮静
* 歯ぐきの腫れ:炎症を和らげて痛み・熱感を軽減
* 抜歯後の不快感:殺菌+香りで清潔感と安心感を与える
クローブ精油を使ったアロマケア

◆ 歯の痛み緩和に|綿棒を使ったポイントケア
【手順】
1)1滴のクローブ精油を植物油(ホホバオイルやココナッツオイルなど)5mlに希釈(約0.5%)する。
2)綿棒に少量を含ませ、痛む歯の周囲(歯ぐきや頬内側)に塗布。
3)5〜10分ほど置いたら、口を軽くすすぐ。
※ 粘膜に直接つけない、飲み込まないこと。
◆ マウスウォッシュで口腔ケア
【手順】
1)クローブ精油1滴とペパーミント精油1滴を、植物油(ホホバオイルやココナッツオイルなど)5ml(小さじ1)+ぬるま湯50mlで希釈する。
2)よく混ぜたら口に含み、30秒ほど口の中ですすいでから吐き出す(絶対に飲み込まない)。
※ 改めて水ですすぐ必要はありませんが、気になる方は軽くすすいでください。
※ 使用目安:1日2〜3回まで(刺激が強いため長期使用は避ける)。

◆ 嗅覚トレーニングに
クローブ精油は、ユーカリ、レモン、ローズ(またはラベンダー)の精油といっしょに一般的な嗅覚トレーニングにも使われています。
嗅覚の低下を予防したい方や、嗅覚が鈍くなったと感じる方は、取り入れてみてはいかがでしょう。 嗅覚は私たちの日常に深く関わっている感覚の一つです。しかし、ストレスや年齢とともに、嗅覚が鈍くなることもあります。そんな時、簡単でお金をかけずに嗅覚を鍛える方法があれば嬉しいですよね。実は、嗅覚を鍛え ...
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◆ 虫除けやカビ対策に
【手順】 気分転換、リラックス、虫よけ、空間の消臭…。 日常のあらゆるシーンで活躍してくれるアロマスプレーは、実は簡単に自分で作れることをご存知ですか? 市販品よりも精油の質を選べて、香りもカスタマイズ自在。肌 ...
1)50mlスプレーボトル(ガラス遮光製推奨)に、無水エタノール5ml+クローブ精油2滴、ティートリー精油2滴、ユーカリ・シトリオドラ精油2滴を加えて混ぜ、最後に精製水45mlを入れてよく混ぜる。
2)シミが付かないか確認したら、カビ防止や虫除けにに使いたい場所にスプレーする。
アロマスプレーの作り方と目的別おすすめレシピまとめ|虫除け・消臭・リラックスにも◎
他の精油との相性は?おすすめブレンド例

◆ クローブ精油と相性の良い精油
【ハーブ系】
クラリセージ、ペパーミント、ローズマリー(シネオール、カンファー)
【柑橘系(シトラス)】
オレンジ・スイート、グレープフルーツ、ベルガモット、レモン、ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)
【花系(フローラル)】
ヘリクリサム(イモーテル)、ラベンダー、スパイクラベンダー、ローズ
【樹木系(ウッディ)】
ユーカリ・グロブルス、ローレル
【スパイス系】
フェンネル
【エキゾチック系(オリエンタル)】
イランイラン
◆ おすすめブレンド例
ペパーミント×クローブで清涼感UP
* 冷却・鎮痛・消臭の相乗効果
* 歯ぐきの不快感を抑えたいときに◎
ティートリー×クローブで殺菌力を強化
* 感染予防・抗真菌作用をプラス
* 歯周病・口内炎にも応用可
ラベンダー×クローブで炎症+緊張を同時にケア
* リラックス+抗炎症
* 痛みによるストレスを和らげたいときにおすすめ
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使用時の注意点と禁忌事項
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→ 芳香浴以外の原液使用はNG。植物油などで必ず希釈して使う。クローブ精油は皮膚への刺激が強いので、敏感肌の方は低濃度での使用がおすすめ。
精油の正しい希釈濃度まとめ|アロマオイル・スプレー別の早見表つき
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→ ホルモン系・中枢神経に影響する可能性があるため。ペット(犬や猫)にとっても刺激が強いため避ける。
ペットのにおい対策に!安心して使えるアロマ製品10選【精油の使い方・注意点も解説】
粘膜使用は0.5%以下に希釈する
→ 粘膜は特に吸収が早いため、必ず植物オイルやジェルに希釈して使用。
精油だけに頼らない
→ クローブ精油は歯の痛みに対して“一時的に和らげる”補助的な自然療法としては有効ですが、虫歯や歯周病などの根本的な治療にはなりません。
以下のような症状がある場合は、すぐに歯科を受診しましょう:
* ズキズキとした痛みが続く。
* 歯ぐきが腫れている、膿が出ている。
* 熱がある、頭痛・あごの違和感を伴う。

まとめ|クローブ精油は自然な「痛みケア」の心強い味方
クローブ精油は、強力な自然の鎮痛・抗菌作用を持つアロマオイルです。その主成分オイゲノールの作用により、歯の痛みや炎症に対して一時的な和らげ効果が期待できます。
ただし、使用は短期的に限り、必ず薄めて使用することが前提です。
口腔内に使う精油は扱い方を間違えるとリスクもあるため、セルフケアは慎重に、安全第一で行いましょう。
そして何より、違和感を感じたら歯医者さんへ。
アロマは、自然療法の選択肢の一つとして活用してください。
家族の健康を守るために、安全でやさしいアロマケアを学びたい方へ高齢者や持病のある方にも配慮できる、安全な使い方・精油選び・禁忌の理解を、初心者でも無理なく学べる講座が多数あります。
自分や家族の不調に自然な方法でケアしたい
より専門的に精油を使いこなしたい
看護・介護などの現場でアロマを活かしたい
そんな方に役立つ講座を、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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この記事を書いた人

主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。