「咳が止まらない」「たんが絡んで息苦しい」――そんなとき、薬に頼る前に「香りのチカラ」でやさしくケアしてみませんか?
精油には、去痰(たんを出しやすくする)・鎮咳(咳を抑える)・抗ウイルス・抗炎症といった、呼吸器トラブルに役立つ成分が豊富に含まれており、咳・たん・のどの不快感をやわらげる助けになります。
この記事では、メディカルアロマの視点から、咳・たんに効果が期待できるおすすめ精油を厳選してご紹介。症状別におすすめの精油11種と、効果的なブレンドレシピや、自宅でできる簡単な使い方を分かりやすく解説します。
自然療法として人気の「アロマケア」で、毎日の呼吸をもっと心地よく整えましょう。
▷ 咳やたんのケアにアロマが選ばれる理由
▷ 咳・たんのケアにおすすめの精油11選
▷ 咳のタイプで使い分ける
▷ 呼吸を楽にするブレンドレシピ【初心者〜家族ケアに】
▷ おすすめの使い方
・スチーム吸入(蒸気吸入法)
・アロマオイル、アロマバーム
・ディフューザー
・マスクやハンカチで芳香浴
▷ 使用時の注意点
▷ 私が実感した「アロマで呼吸が楽になる」体験
▷ まとめ|咳やたんのつらさに、香りのチカラでやさしいケアを
▷ 今回ご紹介した精油&材料
咳やたんのケアにアロマが選ばれる理由
咳やたんの原因は、風邪・ウイルス感染・アレルギー・乾燥などさまざま。これらに共通しているのは、「呼吸器の粘膜の炎症」や「たんの排出がスムーズにできない」という状態です。
アロマテラピーでは、以下のような作用を持つ精油が呼吸器ケアに役立つとされています。
去痰作用
→ たんをやわらかくし、排出を促す。
鎮咳作用
→ 咳を鎮める。
抗炎症・抗菌作用
→ 炎症やウイルス・菌を抑える。
粘膜保護作用
→ 乾燥や刺激から気道を守る。
これらの働きは自然由来の芳香分子(成分)によるもので、薬に頼りたくないときや、日常の予防ケアにぴったりです。
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咳・たんのケアにおすすめの精油11選

呼吸器トラブルのケアに役立つ精油には、去痰(きょたん)作用・抗菌作用・抗ウイルス作用・抗炎症作用などが期待される成分が多く含まれています。
以下の精油は、それぞれの作用と特徴から咳・たん・のどの不調へのセルフケアにおすすめです。
精油 | 作用 | 特徴 | おすすめの使い方 |
ユーカリ・グロブルス | 強力な去痰・抗菌・抗ウイルス作用 | ツンとしたシャープな香り で鼻づまりにも効果的 | 子供や喘息の方には強すぎる場合が あるため、使用量に注意 |
ユーカリ・ラディアータ | 抗ウイルス、去痰、免疫刺激 | 穏やかな香りで子どもや高 齢者にも使いやすい | スチーム吸入・ディフューザー・ロ ールオン |
ティートリー | 強い抗菌・抗ウイルス作用、免疫刺激 | 清涼感のある薬草系の香り | のどや鼻の違和感にスチーム吸入で ◎ |
フランキンセンス | 抗炎症、鎮静、呼吸を深くする | 樹脂系の温かみある香り。 呼吸が浅いときに | 胸元に塗布するロールオンやバーム に |
ペパーミント | 冷却・鎮痛、気道の拡張、抗ウイルス | メントールのスーッとした 香りで鼻が通る感覚に | アロマシールに1〜2滴垂らしマスク に貼る、ロールオンやバームも◎ |
ラヴィンツァラ | 抗ウイルス、免疫刺激、去痰 | ユーカリに似たやや甘い香 り。神経にもやさしい | ディフューザー、吸入、胸元に塗布 するアロマオイルやバーム |
ローズマリー・シネオール | 去痰、抗ウイルス、気管支ケア | 脳を活性化しながらも、の どや気道にアプローチ | スチーム吸入や胸元のロールオンで スッキリ感 |
ニアウリ・シネオール | 抗ウイルス、去痰、抗カタル(粘膜炎症) | ティートリーに似た香りで 、よりやさしい印象 | 敏感肌の人にも使用しやすい。吸入 やマッサージに |
カユプテ | 去痰、抗菌、気道粘膜の浄化 | ユーカリのようなスーッと した香りで呼吸を楽に | ディフューザーや吸入での使用が◎ |
ローレル | 粘液溶解、抗ウイルス、免疫強化 | スパイシーさとハーブ感の ある深みある香り | 吸入、胸元に塗布するロールオンや バーム | サイプレス | 鎮咳、抗けいれん、リンパの流れ促進 | 森林のような香りで緊張を やわらげる | 乾いた咳や夜間の咳に。ロールオン や芳香浴に◎ |

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咳のタイプで使い分ける

咳のタイプ | 精油例 |
乾いた咳 | サイプレス、ティートリー、ローレル、ラヴィンツァラ、フランキンセンス |
痰のからむ咳 | ユーカリ・グロブルス、ユーカリ・ラディアータ、ラヴィンツァラ、ニアウ リ、ティートリー、カユプテ、ローズマリー・シネオール、ペパーミント |
長引くウイルス性咳 | ティートリー、ユーカリ・グロブルス、ユーカリ・ラディアータ、ローズマ リー・シネオール、ラヴィンツァラ |
呼吸を楽にするブレンドレシピ【初心者〜家族ケアに】

● 吸入・スチームブレンド(咳とたんに)
* ユーカリ・グロブルスまたはユーカリ・ラディアータ:1滴
* ローズマリー・シネオール:1滴
お湯をはったマグカップまたは洗面器に垂らし、蒸気をゆっくり吸い込む(目は閉じて)。
● ロールオンブレンド(のど〜胸元用)
10mlのホホバオイルに以下をブレンド
* ニアウリ:1滴
* ラヴィンツァラ:1滴
* ローレル:1滴
胸元・首筋・背中に塗布。外出時や寝る前にも◎。
● 寝る前ディフューザーブレンド(安眠+咳予防に)
* カユプテ:2滴
* ローズマリー・シネオール:1滴
* ラヴィンツァラ:1滴
加湿器またはディフューザーで30分ほど拡散。
おすすめの使い方
呼吸器系を楽にするアロマケアの方法には、ディフューザーなどを使った芳香浴や、蒸気吸入、オイルマッサージがあります。ご自身で、取り入れやすいものを無理のない範囲で行ってみてください。
◆ スチーム吸入(蒸気吸入法)

ボウルに熱湯を入れ、精油を1~2滴。タオルで頭を覆ってゆっくり蒸気を吸い込む方法。手軽に済ませたいときはマグカップ吸入でも十分です。
【手順】
マグカップにお湯を入れ、精油を2〜3滴垂らし、目を閉じ顔を近づけて蒸気を吸入します。
(※ ボウルとバスタオルを使った蒸気吸入法では、頭からバスタオルをかぶった上で、目を閉じ、顔を近づけて蒸気を吸入します。)
蒸気吸入法は、鼻とのどを温めて潤してくれるので、呼吸が楽になります。ただし、咳がひどいときには使えませんので、その場合はほかのアロマケアを行なってください。
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◆ アロマオイル、アロマバーム




キャリアオイル(ホホバオイルやファーナスオイルなど)やシアバターに精油を希釈して、胸元・のど元に塗布。
【手順】
耳の下から首周り、胸元まで、オイルを擦り込みながら優しくマッサージします。できるなら、背中にも塗布してください。
アロマオイルの作り方
30mlガラス遮光瓶、容器にホホバオイル・クリア20mlを入れ、精油6〜8滴を滴下します。ふたをしてよく振り混ぜたら完成です。ロールオンボトルに小分けにして持ち歩いても◯。
※ 余分なオイルはティッシュか使い捨てのペーパータオル等で、やさしく押さえるようにしてふき取ってください。
複数の精油をブレンドしたアロマオイルを皮膚に塗布することで、相乗効果が期待できます。
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◆ ディフューザー

精油を数滴ディフューザーに入れ、寝室やリビングに香りを広げます。呼吸を楽にし、リラックスしたいときにおすすめです。

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◆ マスクやハンカチで芳香浴・吸入

外出時や就寝時にマスクやハンカチに精油を1〜2滴垂らし、鼻の近くに持っていき香りをゆっくり嗅ぎます。この方法はリラックスやリフレッシュしたいときにも手軽に行えるので、お気に入りの1本を常備しておくと良いですね。

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使用時の注意点
● 妊娠中、乳幼児、持病がある方は医師に相談を。
● 精油は原液で使わず、必ず希釈する。
● 強すぎる香りは逆効果になることも。使いすぎに注意。
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私が実感した「アロマで呼吸が楽になる」体験

Karisugiも風邪などでしつこい咳や痰が出るときには、即席のアロマオイル(ユーカリ+ローズマリーの精油)を作ってこまめに擦り込んでいました。あくまで個人の体感ですが、何もしないときよりも症状が落ちつくと感じました。
とくにマグカップ吸入は、簡単にできるのに呼吸がグッと楽になるのを感じます。
定期的なオイルトリートメントも、ストレスや肩こり、冷え、むくみの緩和、免疫力アップなどに役立ちます。おかげで、ちょっとした不調には自分で対処できるようになりました。
もっと深く学びたい方へ|メディカルアロマ・クリニカルアロマの資格講座今回ご紹介したような呼吸器ケアや免疫サポートなど、症状に応じた精油の選び方・ブレンド方法を学べる資格講座もあります。本格的に学びたい方には、メディカルアロマやクリニカルアロマの資格講座がおすすめです。
自分や家族の不調に自然な方法でケアしたい
より専門的に精油を使いこなしたい
看護・介護などの現場でアロマを活かしたい
そんな方に役立つ講座を、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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まとめ|咳やたんのつらさに、香りのチカラでやさしいケアを
植物のチカラを味方につけて、つらい咳やたんをやさしくケアしてみましょう。
呼吸が整うと、心も体も落ち着いて、回復力が高まります。
日々の不調を整える第一歩として、ぜひアロマを取り入れてみてくださいね。
今回ご紹介した精油&材料
精油は医薬品ではないため、薬の代わりや治療を目的に使用することはできません。当ブログに掲載されているのは一般的な精油の効果・効能であり、使用した人の心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。とはいえ、精油の芳香成分は、心身の健康に良い影響をもたらすことがわかっています。精油を使う際は、ご自身の体調や体質に合わせて取り入れてみてください。
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この記事を書いた人

主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。