癒しの香り、ラベンダー精油の使い方【効果、ブレンドの相性、レシピも紹介】

ラベンダー

花の甘酸っぱく爽やかな香りのラベンダーは、ストレスや不安を軽減し、心身のリラックスに役立つ精油です。眠りのアロマとして認知症ケアに活用されたり、嗅覚トレーニングにも取り入れらるなど、さまざまな用途に使用できます。

「万能精油」とも言われるラベンダーですが、その種類はいくつかあり、アロマテラピーでよく使われるものとしては、真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)、スパイクラベンダー、ラバンディンがあります。

この記事では、ラベンダーの中でも1番なじみのある真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)について、一般的な効果や成分、使い方、ブレンドの相性などを紹介していきます。

 

ラベンダー精油とは?

精油の基本情報、特徴
「アロテセラピー」という言葉を作り広めたのは、ルネ・モーリス・ガットフォセというフランスの調香師です。彼は実験中に火傷を負い、ラベンダーオイルを傷に塗ったところ、回復が早かったという自身の経験から、アロマテラピーの可能性に気付きました。
Karisugi

基本情報

学名:Lavandula officinalis
   Lavandula angustifolia

和名:薫衣草(くぬえそう/くんいそう)

科名:シソ科

抽出部位:花と葉

抽出方法:水蒸気蒸留法

原産国:フランス

オイルの色:ほぼ無色

ノート:トップ〜ミドル

香り:花の甘酸っぱい香り

主な成分と効果

精油成分

ラベンダー精油の主な成分である酢酸リナリルリナロールは、高いリラックス効果をもたらします。また、鎮痛作用、抗炎症作用、抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用などがあるとされています。

Karisugi
リナロールと酢酸リナリルの組み合わせは抗菌活性(細菌の増殖を抑える効果)を向上させることがわかっており、ホームケアにも取り入れたい精油です。

リナロール:31〜36%

酢酸リナリル:30〜37%

テルピネン-4-オール:3〜6%

β-カリオフィレン:3〜5%

● cis-β-オシメン:2〜5%

● trans-β-オシメン:2〜3%

● 酢酸ラバンデュリル:〜2%

● ボルネオール:〜2%


ラベンダー・アングスティフォリア【フロリハナ公式】

ラベンダー精油の心と身体への効果

精油の心と身体への効果

ラベンダー精油はリラックスしたい方や良い睡眠をとりたい方に人気の精油です。

マウスの不安度を測る実験では、ラベンダー精油を吸入したマウスは、吸入しなかったマウスよりストレス度や不安度が低くなることがわかっています。

また、ストレスによる皮膚のバリア機能の低下を防いだり、皮膚の炎症や痒みを抑える働きがあるとされているので、スキンケアや蚊に刺されたあとの痒みにもおすすめです。

Karisugi
真正ラベンダーはラベンダーの中でも1番ポピュラーで、子供から高齢者まで安心して使用することができます。精神的な癒しだけじゃなく、お肌の不調や身体的な痛みを和らげたい時にも役立ちますよ。

【心への効果】
・抗不安作用
・抗うつ作用
・神経強壮作用
・ストレス緩和
・リラックス効果
・怒りやイライラなどをやわらげ、穏やかな気持ちにしてくれる
・疲れやストレスを和らげたい時に
・心地よい眠りが欲しい時に

【身体への効果】
・抗菌作用
・殺菌作用
・抗ウイルス作用
・抗真菌作用
・抗炎症作用
・免疫調整作用
・抗寄生虫作用
・血行促進作用
・鎮痛作用
・抗けいれん作用
・鎮静作用
・筋肉弛緩作用
・血圧降下作用
・自律神経調整作用
・細胞成長促進作用
・瘢痕形成作用
・免疫力アップ
・皮膚の痒み緩和
・頭皮ケア(抜け毛、痒みなど)
・傷やニキビ跡
・火傷、日焼け後のケア
・頭痛、筋肉痛、神経痛、生理痛などの痛みを和らげる
・頭皮のかゆみ、フケ
・水虫の予防

基本的に精油の原液塗布は認められていませんが、ラベンダー精油については、軽い火傷、吹き出物、虫刺されの応急処置として、肌に直接塗ることができます。ただし、これはあくまで一時的な利用にとどめてください。使いすぎは皮膚の炎症などのトラブルの原因になります。
Karisugi

※ 鎮静作用や血圧を下げる働きがあるので、低血圧の人は少し眠くなることがあるかもしれません。 

※ 妊娠初期の使用は控えましょう。

あわせて読む
精油の安全な使用方法と注意点|購入時に気をつけたいポイントも紹介
精油の安全な使用方法と注意点|購入時に気をつけたいポイントも紹介

精油には、香りによるリラックス効果や、肌のケア、さらには気分の改善など多くの健康効果が期待できますが、その使用にはいくつか注意が必要です。  正しく使用すれば、精油は心身に良い影響を与えますが、誤った ...

ラベンダー精油のブレンドの相性と活用法

精油のブレンドの相性と活用法
ここからは、ラベンダー精油を使用したブレンドレシピと、アロマテラピーを日常に取り入れるためのアイデアを紹介していきす!
Karisugi

【ハーブ系】
クラリセージスイート・マージョラムペパーミントローズマリー

【柑橘系(シトラス)】
オレンジ・スイートグレープフルーツプチグレンベルガモットマンダリンレモンレモングラス

【花系(フローラル)】
カモミール(ローマンジャーマン)、ジャスミンゼラニウムネロリパルマローザヘリクリサム(イモーテル)ローズ

【樹木系(ウッディ)】
サイプレスティートリーホーリーフ、ユーカリ(グロブルスラディアータ)、ローズウッド

【樹脂系(バルサム)】
フランキンセンスベンゾインミルラ

【スパイス系】
クローブ

【エキゾチック系(オリエンタル)】
イランイランサンダルウッドパチュリ

ブレンドレシピ

【リラックスタイムに】
ラベンダー × オレンジ・スイート × プチグレン

【ストレス・不安の軽減、睡眠サポートに】
ラベンダー × ベルガモット × オレンジ・スイート(またはカモミール・ローマン)

【皮膚の痒みに】
ラベンダー × ティートリー × カモミール・ジャーマン

【日焼け後のクールダウンに、頭や肩が重い時に】
ラベンダー × ペパーミント

【エイジングケアに】
ラベンダー × フランキンセンス × ローズオットー(またはヘリクリサム)

あわせて読む
信頼できる精油メーカーと選び方-メディカルアロマに使える精油も紹介!
信頼できる精油メーカーと選び方 - メディカルアロマに使える精油も紹介!

良質な精油を選ぶためには、信頼できるメーカーの製品を選び、目的に応じて自分に合った精油を選ぶことが大切です。  精油は心身に良い影響を与えると言われていますが、正しい選び方をしないとその効果を最大限に ...

使い方

【芳香浴】
リラックスしたい時やストレスを感じる時は、お部屋にディフューザーをかけてラベンダーの優しい香りに癒されてください。手軽に持ち運びできるディフューザーなら、香りを感じたい時に手軽に芳香浴を楽しめます。

生活の木の「夜-NIGHT-」は、ラベンダーとオレンジ・スイートの精油を2:1でブレンドしたエッセンシャルオイルです。ゆったりとしたリラックスタイムにぴったりの落ち着いた香り。就寝前の芳香浴にも手軽に使えますよ。

【生活の木】夜-NIGHT- ブレンドエッセンシャルオイル 

【ピロースプレー】
30mlのスプレーボトル(遮光ガラス製推奨)に、無水エタノール5mlと精油6〜12滴を入れて左右に軽く振ったら、最後に精製水25mlを入れます。蓋をして、上下によく振ったらアロマスプレーの完成です。空間にシュッとスプレーしたり、寝具にふっても◎。寝具にスプレーする場合は、布の目立たないところにスプレーするか、ハンカチ等にスプレーして枕元に置きます。

【ロールオンアロマ】
ロールオンボトルに、ホホバオイルなどのキャリアオイル10mlと、ラベンダー2滴+ペパーミント2滴を加えれば、ロールオンアロマの完成です。気象による頭痛や肩が重い時などに、こめかみ、肩にコロコロ転がしながらマッサージすると痛み緩和に役立ちます。

【マッサージオイル】
ラベンダー精油には抗菌・抗ウイルス作用、免疫力アップ、ストレスや疲労の緩和、安眠効果が期待できます。セルフケアとして、ハンドトリートメントや全身のトリートメントにおすすめです。

- マッサージオイルの作り方 -
遮光瓶(30ml)ホホバオイル20mlと、とラベンダー3滴+スイート・マージョラム1滴+ゼラニウム1滴を入れ、ふたを閉めてよく振り混ぜます。
スキンケアに使う場合は、精油の滴数を2〜4滴に抑えてください。

【アロマパウダー】
デオドラントやドライシャンプーにも使えるアロマパウダーは、お肌にも優しく、汗によるかゆみや湿疹予防におすすめです。コーンスターチ・ベースパウダーに、ラベンダー2滴+ティートリー2滴を加えて混ぜれば、爽やかな香りのアロマパウダーになります。

 

精油の活用方法やブレンドレシピに興味のある方には、↓↓の本が参考になります。

より詳しく精油の知識を学びたいセルフケアに役立てたいという方は、自宅で学べて資格も取れる講座もあります。この機会に精油の特徴や正しい使い方を学んでみてはいかがでしょう。


メディカルアロマ検定 公式サイト

あわせて読む
精油
メディカルアロマとは?アロマとの違いやおすすめ資格など詳しく紹介!

現代人が抱える不調のケアや、予防医療が重要視されている今、自然で効果的なアプローチを提供する手段としてメディカルアロマが注目されています。メディカルアロマとは、精油(エッセンシャルオイル)をリラクゼー ...

※ 精油(エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
精油は医薬品ではないため、薬の代わりや治療を目的に使用することはできません。当ブログに掲載されているのは一般的な精油の効果・効能であり、使用した人の心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。とはいえ、精油の芳香成分は、心身の健康に良い影響をもたらすことがわかっています。精油を使う際は、ご自身の体調や体質に合わせて取り入れてみてください。
 

関連記事

ひまわりで顔を隠す女性
日焼け後のアロマケアに、ラベンダーとペパーミント、どう使う?

日焼けをした肌は、やけどをした状態と同じようなものです。    こんなときは、抗炎症作用や冷却作用のあるラベンダー、ペパーミントの精油を使ったアロマケアが役に立ちます。    また、日焼けによる肌の炎 ...

眠れない女性
疲れすぎて眠れない?アロマとCBDで深い眠りをサポートする方法

「仕事や日常生活で疲れ切っているはずなのに、なぜか眠れない...。」  そんな経験をしたことはありませんか?  疲れているのに眠れない理由には、実はさまざまな原因が隠れていています。また、心身のリラッ ...

リラックス&リフレッシュスプレーを手作り【朝昼夜のレシピ付き】
朝・昼・夜で使い分けるリラックス&リフレッシュスプレーのアロマブレンドレシピ

朝はシャキッと目覚めるような香りを、昼はリフレッシュできるような香りを、夜はとことんリラックスできるような香りを。  時間帯によって欲しい香りって変わりますよね。そんなときにおすすめなのが、携帯に便利 ...

アロマ香水の作り方【スプレー&香油のブレンドレシピ付き】
アロマ香水の作り方【スプレー&香油のブレンドレシピ付き】

香水の代わりにもなる、精油を使ったアロマフレグランスの作り方をご紹介します。    スプレーにしてもいいし、香油にして使うのも◎。 シトラス系・フローラル系・ハーブ系の香りは誰でも簡単に作れちゃいます ...

認知症予防に効果的なアロマの使い方 1ヶ月の費用はどれくらい?
アロマで認知機能改善?高齢者におすすめのアロマケアを紹介!

認知症の中でも特に多いアルツハイマー型認知症に、アロマテラピーが有用であることをご存知でしょうか。アルツハイマー型認知症は、初期症状として物忘れより前ににおいが分かりにくくなるという特徴があります。  ...

香りを嗅ぐ女性
お金をかけずにできる嗅覚トレーニング法&おすすめのアロマ精油とその使い方

嗅覚は私たちの日常に深く関わっている感覚の一つです。しかし、ストレスや年齢とともに、嗅覚が鈍くなることもあります。そんな時、簡単でお金をかけずに嗅覚を鍛える方法があれば嬉しいですよね。実は、嗅覚を鍛え ...

虫刺されに、ハッカ油とラベンダーで作るかゆみ止めクリーム
ハッカ油&ラベンダーでかゆみ止めクリームを手作り【蚊に刺されに】

蚊に刺されたあとのかゆみなどに、ハッカ油とラベンダーを混ぜた、肌に優しいかゆみ止めクリームの作り方をご紹介します。    ハッカ油だけだと強く感じる香りや清涼感も、ラベンダーやクリームと混ぜるといくら ...

たった10秒で感じるアロマ精油の効果!シーン別おすすめ精油と使い方
たった10秒で感じるアロマ精油の効果!シーン別おすすめ精油と使い方

仕事や家事で疲れた時に、アロマ精油の香りをかぐだけでリフレッシュできたらいいと思いませんか?  たった10秒アロマの香りをかぐだけでも、心身のリラックスやリフレッシュに役立ちます。『こんな時はこの香り ...

この記事を書いた人

この記事を書いた人Karisugi
主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。

-精油一覧