花の甘酸っぱく爽やかな香りのラベンダーは、ストレスや不安を軽減し、心身のリラックスに役立つ精油です。眠りのアロマとして認知症ケアに活用されたり、嗅覚トレーニングにも取り入れらるなど、さまざまな用途に使用できます。
「万能精油」とも言われるラベンダーですが、その種類はいくつかあり、アロマテラピーでよく使われるものとしては、真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)、スパイクラベンダー、ラバンディンがあります。
この記事では、ラベンダーの中でも1番なじみのある真正ラベンダー(ラベンダー・アングスティフォリア)について、一般的な効果や成分、使い方、ブレンドの相性などを紹介していきます。
▷ ラベンダー精油とは?
・基本情報
・主な成分と効果
▷ ラベンダー精油の心と身体への効果
▷ ラベンダー精油のブレンドの相性と活用法
・相性が良い精油
・ブレンドレシピ
・使い方
ラベンダー精油とは?


基本情報
学名:Lavandula officinalis
Lavandula angustifolia
和名:薫衣草(くぬえそう/くんいそう)
科名:シソ科
抽出部位:花と葉
抽出方法:水蒸気蒸留法
原産国:フランス
オイルの色:ほぼ無色
ノート:トップ〜ミドル
香り:花の甘酸っぱい香り
主な成分と効果

ラベンダー精油の主な成分である酢酸リナリルとリナロールは、高いリラックス効果をもたらします。また、鎮痛作用、抗炎症作用、抗菌・抗ウイルス・抗真菌作用などがあるとされています。

● リナロール:31〜36%
● 酢酸リナリル:30〜37%
● テルピネン-4-オール:3〜6%
● β-カリオフィレン:3〜5%
● cis-β-オシメン:2〜5%
● trans-β-オシメン:2〜3%
● 酢酸ラバンデュリル:〜2%
● ボルネオール:〜2%
ラベンダー精油の心と身体への効果

ラベンダー精油はリラックスしたい方や良い睡眠をとりたい方に人気の精油です。
マウスの不安度を測る実験では、ラベンダー精油を吸入したマウスは、吸入しなかったマウスよりストレス度や不安度が低くなることがわかっています。
また、ストレスによる皮膚のバリア機能の低下を防いだり、皮膚の炎症や痒みを抑える働きがあるとされているので、スキンケアや蚊に刺されたあとの痒みにもおすすめです。

【心への効果】
・抗不安作用
・抗うつ作用
・神経強壮作用
・ストレス緩和
・リラックス効果
・怒りやイライラなどをやわらげ、穏やかな気持ちにしてくれる
・疲れやストレスを和らげたい時に
・心地よい眠りが欲しい時に
【身体への効果】
・抗菌作用
・殺菌作用
・抗ウイルス作用
・抗真菌作用
・抗炎症作用
・免疫調整作用
・抗寄生虫作用
・血行促進作用
・鎮痛作用
・抗けいれん作用
・鎮静作用
・筋肉弛緩作用
・血圧降下作用
・自律神経調整作用
・細胞成長促進作用
・瘢痕形成作用
・免疫力アップ
・皮膚の痒み緩和
・頭皮ケア(抜け毛、痒みなど)
・傷やニキビ跡
・火傷、日焼け後のケア
・頭痛、筋肉痛、神経痛、生理痛などの痛みを和らげる
・頭皮のかゆみ、フケ
・水虫の予防

※ 鎮静作用や血圧を下げる働きがあるので、低血圧の人は少し眠くなることがあるかもしれません。
※ 妊娠初期の使用は控えましょう。
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ラベンダー精油のブレンドの相性と活用法


【ハーブ系】
クラリセージ、スイート・マージョラム、ペパーミント、ローズマリー
【柑橘系(シトラス)】
オレンジ・スイート、グレープフルーツ、プチグレン、ベルガモット、マンダリン、レモン、レモングラス
【花系(フローラル)】
カモミール(ローマン、ジャーマン)、ジャスミン、ゼラニウム、ネロリ、 パルマローザ、ヘリクリサム(イモーテル)、ローズ
【樹木系(ウッディ)】
サイプレス、ティートリー、ホーリーフ、ユーカリ(グロブルス、ラディアータ)、ローズウッド
【樹脂系(バルサム)】
フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラ
【スパイス系】
クローブ
【エキゾチック系(オリエンタル)】
イランイラン、サンダルウッド、パチュリ
ブレンドレシピ
【リラックスタイムに】
ラベンダー × オレンジ・スイート × プチグレン
【ストレス・不安の軽減、睡眠サポートに】
ラベンダー × ベルガモット × オレンジ・スイート(またはカモミール・ローマン)
【皮膚の痒みに】
ラベンダー × ティートリー × カモミール・ジャーマン
【日焼け後のクールダウンに、頭や肩が重い時に】
ラベンダー × ペパーミント
【エイジングケアに】
ラベンダー × フランキンセンス × ローズオットー(またはヘリクリサム)
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使い方
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リラックスしたい時やストレスを感じる時は、お部屋にディフューザーをかけてラベンダーの優しい香りに癒されてください。手軽に持ち運びできるディフューザーなら、香りを感じたい時に手軽に芳香浴を楽しめます。
持ち運びできるアロマディフューザーで、いつでもリラックス&リフレッシュ!
生活の木の「夜-NIGHT-」は、ラベンダーとオレンジ・スイートの精油を2:1でブレンドしたエッセンシャルオイルです。ゆったりとしたリラックスタイムにぴったりの落ち着いた香り。就寝前の芳香浴にも手軽に使えますよ。
【生活の木】夜-NIGHT- ブレンドエッセンシャルオイル
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30mlのスプレーボトル(遮光ガラス製推奨)に、無水エタノール5mlと精油6〜12滴を入れて左右に軽く振ったら、最後に精製水25mlを入れます。蓋をして、上下によく振ったらアロマスプレーの完成です。空間にシュッとスプレーしたり、寝具にふっても◎。寝具にスプレーする場合は、布の目立たないところにスプレーするか、ハンカチ等にスプレーして枕元に置きます。
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ロールオンボトルに、ホホバオイルなどのキャリアオイル10mlと、ラベンダー2滴+ペパーミント2滴を加えれば、ロールオンアロマの完成です。気象による頭痛や肩が重い時などに、こめかみ、肩にコロコロ転がしながらマッサージすると痛み緩和に役立ちます。
頭痛におすすめのアロマケア〜ロールオンアロマの作り方
【マッサージオイル】
ラベンダー精油には抗菌・抗ウイルス作用、免疫力アップ、ストレスや疲労の緩和、安眠効果が期待できます。セルフケアとして、ハンドトリートメントや全身のトリートメントにおすすめです。
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遮光瓶(30ml)にホホバオイル20mlと、とラベンダー3滴+スイート・マージョラム1滴+ゼラニウム1滴を入れ、ふたを閉めてよく振り混ぜます。
スキンケアに使う場合は、精油の滴数を2〜4滴に抑えてください。
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アロマパウダーはデオドラントや災害時のドライシャンプーに使える!
精油の活用方法やブレンドレシピに興味のある方には、↓↓の本が参考になります。
より詳しく精油の知識を学びたい、セルフケアに役立てたいという方は、自宅で学べて資格も取れる講座もあります。この機会に精油の特徴や正しい使い方を学んでみてはいかがでしょう。
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この記事を書いた人

主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。