現代人が抱える不調のケアや、予防医療が重要視されている今、自然で効果的なアプローチを提供する手段としてメディカルアロマが注目されています。メディカルアロマとは、精油(エッセンシャルオイル)をリラクゼーションだけに使うのではなく、精神的・身体的な健康をサポートする目的で用いるケア方法です。
一般的なアロマテラピーよりもっと踏み込んだケアができるメディカルアロマは、心身の不調を抱えている方やそのご家族、看護師や介護士といった医療従事者から人気があり、その知識と資格が得られる通信講座の人気も高まっています。
この記事では、メディカルアロマの効果や健康への影響、アロマテラピーとの違い、おすすめの資格とそれを活かせる場など、詳しく解説していきます。
▷ メディカルアロマとは?- 効果や健康に与える影響
▷ メディカルアロマと一般的なアロマテラピーの違い
▷ メディカルアロマorアロマテラピー どっちがどんな人におすすめ?
・メディカルアロマがおすすめな人
・一般的なアロマテラピーがおすすめな人
▷ メディカルアロマセラピストとは?
・メディカルアロマセラピストになるには?
・メディカルアロマセラピストの将来性
▷ メディカルアロマのを活かせる場
▷ メディカルアロマの資格がとれるおすすめ通信講座
・メディカルアロマ検定|費用、難易度、特徴、注意点、口コミ
▷ まとめ
メディカルアロマとは?- 効果や健康に与える影響

私たちはスマートフォン、仕事、家庭、社会的プレッシャーなど、日々さまざまなストレスにさらされています。これらが長く続くと、免疫力の低下、睡眠障害、心身の不調、さらにはうつ病や自律神経失調症などの健康問題につながります(参照;「不調やストレスと睡眠の健康意識調査」結果概要)。
メディカルアロマは、こうした心身の不調を抱えやすい現代人へ、癒しだけでなく、精神的・身体的な健康をサポートする目的で用いられる自然療法の1つです。体調不良を未然に防ぎ、健康を維持するために役立てられることから、予防医療の一環としても注目されています。


メディカルアロマは、特にストレス管理、免疫力向上、痛み緩和、心身のリラックスなど、予防的な効果が期待でき、精油を日常的なケアに使うことで、心身のバランスがとれ、健康管理に役立つ可能性があります。いくつか例を見ていきましょう。
身体的な効果
精油には、血行促進、免疫力向上、抗菌作用、抗炎症作用など、身体の健康を支える多くの効果が期待できます。たとえば、ティートリー精油は抗菌・抗ウイルス作用があり、風邪予防や咳・たんのケアに役立つとされています。 咳やたんの絡みは、風邪やアレルギー、空気の乾燥などが原因で多く見られる症状ですが、辛いだけでなく周囲の人にも気をつかわせてしまいますよね。 そんな時には、呼吸器系をサポートし、咳やたんの症状を軽減する ...
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精神的な効果
精油は、気分を安定させ、感情の波を穏やかにするために使われることもあります。ラベンダーやオレンジ・スイート、ベルガモットなどは、リラックス効果が高く、心のバランスを整えるために役立ちます。 ベルガモットは、オレンジやレモン、グレープフルーツのような食用としての需要はなく、香料素材として栽培される柑橘類です。 ベルガモットの精油は、フレッシュな甘味の中にほんのり苦味を感じる "上品な大人 ...
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ホルモンバランスのサポート
精油には、ホルモンバランスを整える働きもあります。特に女性に役立つ精油として、ゼラニウムやクラリセージが挙げられ、月経前症候群(PMS)や更年期症状の緩和に効果が期待されます。 更年期に伴うさまざまな症状—ホットフラッシュや不安、眠れない夜など—に悩まされる方は多いものです。そんな中、アロマ精油とCBDが自然な方法で症状緩和に役立つことが注目されています。アロマの香りやCBD ...
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認知機能改善・嚥下機能のサポート
精油の香りが認知機能改善や嚥下能力の改善に役立つ例もあります。認知機能改善に使われる精油の例として、朝と夜の芳香浴に、それぞれローズマリー&レモン、オレンジ&ラベンダーを使うことは有名です。また、ブラックペッパーの香りをかぐことで、嚥下反射や嚥下運動が改善するというデータもあります。 認知症の中でも特に多いアルツハイマー型認知症に、アロマテラピーが有用であることをご存知でしょうか。アルツハイマー型認知症は、初期症状として物忘れより前ににおいが分かりにくくなるという特徴があります。 ...
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メディカルアロマと一般的なアロマテラピーの違い

メディカルアロマと一般的なアロマテラピーの1番の違いは、アロマを単なるリラクゼーション目的に使うか、心身の不調改善や健康管理を目的に使うかということです。
一般的なアロマテラピーは、リラクゼーションのために穏やかな香りを楽しむことが中心であるのに対し、メディカルアロマは、風邪の症状、筋肉の緊張・痛み、ストレス、疲労など、今ある不調や、不調になる前のセルフケアに適した芳香成分から精油を選び、ケアに役立てます。
メディカルアロマの具体的な使い方としては、
空間に香りを広げてリラックス効果や免疫力向上を促す芳香浴
キャリアオイルに精油を薄めて筋肉の痛みやこわばりをほぐすオイルマッサージ
鼻から直接香りを吸い込むことで風邪の予防や呼吸器系の改善に役立てる吸入法
などがあります。
たとえば、風邪予防や呼吸器系の不調改善を目的に使う時は、ティートリー精油とユーカリ精油のマグカップ吸入やオイルマッサージが効果的ですし、頭痛や蚊に刺されのかゆみなどにはペパーミント精油とキャリアオイルで作ったロールオンアロマが役に立ちます。
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メディカルアロマorアロマテラピー どっちがどんな人におすすめ?

メディカルアロマがおすすめな人
『どうしてイライラしたり、ストレスがあるときにこの香りをかぐと落ち着くんだろう』、『この精油はどこにどう働きかけているんだろう』
というように、精油成分の科学的な根拠や、心身への働き・毒性(どこに、どのように作用するのか)を知りたい方には、メディカルアロマがおすすめです。
「香り」成分が脳や体にどのように働きかけているのか・・・嗅覚のメカニズムや臨床例に興味がある方、これからメディカルアロマを学ぶ方には下記の本が参考になります。
また、具体的にどんな症例にどの精油を使っているのか知りたい方や、すでにアロマの知識があるけれど『セルフケア』に活用できていない、という方には下記の本が参考になります。
一般的なアロマテラピーがおすすめな人

「ストレスや疲れを感じているとき、自分の好きな香りをかぐと落ち着き、リラックスできた・元気が出た」
というように、香り自体に魅力を感じ、「こういうときはコレ!」と自分で精油をブレンドして、とことん香りを楽しみたい方には、一般的なアロマテラピーがおすすめです。
また、自作のアロマクラフト(アロマスプレーやクリームなど)を楽しみたい方にも向いています。
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メディカルアロマセラピストとは?

メディカルアロマセラピストは、アロマに関する知識のほか、解剖学や生理学、心理学などの知識をもとに、クライアントに対してアロマトリートメントやカウンセリング、精油のブレンド指導などを行います。
主に、病院、クリニック、スパ、個人サロン、企業の福利厚生、リハビリ施設など、セラピスト次第で活躍する場が広がります。
メディカルアロマセラピストになるには?
メディカルアロマの国家資格は日本にはありませんが、メディカルアロマセラピストとして働くためには、やはり資格は必要です。
そこで迷うのが、資格のとり方です。通学(スクール)、通信講座、独学のどれがいいのか...。
結論としては、「1. 通学」「2. 通信講座」「3. 独学」の順でおすすめします。認定証が必要なら通学か通信講座の受講は必須です。独学ではもらえません。
メディカルアロマは精油成分の化学的な根拠や、心身への働きについて深く学習します。また、実際に精油を使ったケアを行う際には注意事項も多くあり、完全独学で効率良く勉強するのは難しいです。
完全独学でとれるアロマの資格には、AEAJのアロマテラピー1級・2級があるので、メディカルアロマにこだわらないなら、そちらでも十分ではないかと思います。もちろん資格に対応した通信講座もあります(参考:ユーキャンのアロマテラピー検定1級・2級対策講座)。興味のある方はチェックしてみてください。
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メディカルアロマセラピストの将来性
医療行為・治療では取り除ききれない心身の痛みや不安、クライアントとその家族が抱える孤独感・疲れ・ストレスを和らげ、安らぎを与えられるよう働きかけることができるのがメディカルアロマセラピストです。
海外ではすでに医療機関でメディカルアロマを導入しているところもありますが、日本では精油は雑貨扱いなので、医療行為・治療目的で使うことはできません。ですが、心身の痛みや不安、ストレスなどを和らげるためのお手伝いはできます。
代替医療や自然療法への関心が高まり、メディカルアロマの需要は増えています。メディカルアロマの資格は、医療機関などでも使える知識とスキルの修得を証明するものとして、一般の方だけでなく、看護師・介護職員など医療従事者からの人気もあり、実際、受験する人も増えていることから、今後も病院やクリニックのほか、企業やスポーツチーム、介護施設などでメディカルアロマセラピストの活躍が期待されます。
メディカルアロマを活かせる場

メディカルアロマケアは、ご自身やご家族のケア、医療福祉、介護、ボランティア活動などに活かすことができます。
主な活動の場
● 心療内科
うつ症状や不安、不眠症などの緩和
● 産婦人科
PMS(月経前緊張症)、更年期障害、出産時・出産後の痛みの緩和
● 緩和ケア
痛みや不安の緩和
● 訪問看護やリハビリ
アロマトリートメント(マッサージ)でリハビリの回復力を高める
● 自宅サロン、個人カウンセリング
● 自身や家族のケア
● 介護施設、ボランティア
● 美容系サロン etc...
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メディカルアロマの資格がとれるおすすめ通信講座

ここからは、「メディカルアロマに興味があるけれど、資格をとる方法がわからない」という方に、自宅で学べる通信講座を紹介していきます。
「実践的なメディカルアロマを学ぶなら通学(スクール)のほうがいい」という意見もありますが、近くにスクールがない、自分のペースで勉強したい、集団行動が苦手、移動時間や受講費を節約したいという方には、通信講座が適しています。
メディカルアロマの資格がとれる通信講座でおすすめなところは、
内閣府認証の日本統合医学協会が実施しているメディカルアロマ検定です。
パソコン、スマホ、タブレットを使ったオンラインでの受講・試験が可能なので、忙しいライフスタイルに合わせた学習が可能です。
メディカルアロマ検定|費用、難易度、特徴、注意点、口コミ
費用
通常受講料は税込88,000円
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難易度
メディカルアロマ検定の合格率は85%程度(日本統合医学協会のHPより)ということで、それほど難易度は高くありません。
講座の特徴
メディカルアロマ検定には、「メディカルアロマインストラクター」と「メディカルアロマ検定1級」があり、メディカルアロマインストラクターの資格を取得すると、メディカルアロマ検定1級も同時に付与されるのが特徴です。
メディカルアロマインストラクター | メディカルアロマ検定1級 | |
どんな資格? | 心と体の状態に合わせた精油のブレンディ ングなど、メディカルアロマの活用法を教 授できる能力を認定する資格。メディカル アロマのスペシャリストとして、精油の専 門知識だけでなく基礎医学や心理学など幅 広い知識を習得し、目的に合わせた利用法 を指導できる。 | 統合医学の基礎知識から精油の安 全性、有用性、心身への作用や使 い方などを習得。安全なアロマテ ラピーの利用法や役立て方などの 知識の修得を証明する資格。 |
学べること | ・メディカルアロマセラピー入門 ・アロマセラピーのメカニズム ・アロマセラピーの基材 ・精油学 ・医療・健康への応用 ・メディカルハーブ入門 ・メディカルハーブ各論 ・基礎医学 ・心理学 ・カウンセリング学 | ・メディカルアロマセラピー入門 ・アロマセラピーのメカニズム ・アロマセラピーの基材 ・精油学 |
注意点
● 再試験には別途事務手数料(5,500円)が必要です。
● eラーニングの受講期間は専用ID、パスワード発行後90日間。受講期間を延長する場合は別途費用が必要です。
● 電話でのお問い合わせはできません。受講前の質問はホームページの「お問い合わせフォーム」から、受講中・受講後はマイページ内の専用フォームよりお問い合わせする形となります。
受講者の口コミ
実際、受講した方々の声をまとめてみました。良かった点と悪かった点、それぞれご紹介します。
悪かった点
テキストと動画の視聴という受動的な学習法なので、確認テストの問題をもう少し増やしてほしい。
全てがオンラインなので、実践での経験がないままでの現場となってしまうので、自信を持って接することが難しいところだと思う。
受講期限が終了すると動画が視聴できない点(会員動画に移行)は残念。
学習中わからない箇所など聞きたい事が出来た時、すぐに簡単に質問できる方法があればもっと良かった。

良かった点
精油だけでなく、ハーブ、基礎医学、心理学と総合的に知識を得られるのが良かった。動画の講義もまとまった時間がとれずとも何度も視聴することができていい。
精油の効果効能を知りながら使えるのがとても楽しかった。看護師資格を持っているので、改めて心理学を学ばせていただけて、これからの患者さんとの関わりにも活かせていけると思った。
テキストがわかりやすかった。特に、ハンドリフレクソロジーのページは写真が多くありがたい。動画は、どの先生の説明もとてもわかりやすくて良かった。
精油の基礎のみならず、心身にどういう機序で作用しているのか、この作用を利用してどう活用するのか等、科学的根拠に基づいており、理解が深まった。

まとめ
メディカルアロマが健康に与える影響や、一般的なアロマとの違い、セラピストとしての将来性、おすすめの資格や活かし方など、メディカルアロマについてのトピックをまとめて紹介しました。
メディカルアロマの知識をより深めたい方や、生活に無理なく取り入れたい方には、目的に応じて適切な精油選びやケア方法を学べるメディカルアロマ検定の講座が役に立ちます。
心身の健康をサポートし、病気の予防に貢献することが期待されるメディカルアロマは、今後も注目される自然療法の1つとしておすすめです。
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この記事を書いた人

主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。