眠気を覚ましたいときや集中したいとき、ペパーミントの香りが役立ちます。ガムや歯磨き粉にも使われているので、香りの想像はつきやすいのではないでしょうか。ひと息吸い込むだけで広がる清涼感が、まるで心身のモヤをすっと取り去ってくれるよう。
ペパーミント精油は、「メントール」、「メントン」が主な成分で、冷却作用と加温作用、集中力とリラックスといった、両方の働きをあわせ持っています。また、優れた抗菌作用があることでも知られています。
この記事では、ペパーミント精油の効果やブレンドの相性、日常での使い方など、詳しく解説します。
▷ ペパーミント精油とは?
・基本情報
▷ ペパーミント精油の主な成分と期待できる効果
・主な成分
・心と身体への効果
▷ ペパーミント精油とブレンドの相性が良い精油
▷ おすすめのブレンドレシピと使い方
・朝のリフレッシュブレンド
・筋肉疲労ケアブレンド(マッサージ用)
・頭痛対策ロールオン
▷ ペパーミント精油の禁忌、注意点
ペパーミント精油とは?

◆ 基本情報
精油名 | ペパーミント |
学名 | Mentha piperita |
科名 | シソ科 |
和名 | 西洋薄荷(セイヨウハッカ) |
抽出部位 | 全草、葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
原産国 | フランス |
オイルの色 | 淡黄色 |
ノート | トップ〜ミドル |
香り | メントールのフレッシュで清涼感のある香りで、やわらかい甘さもある |
ペパーミント精油の主な成分と期待できる効果
ペパーミント精油を構成する成分は、メントールやメントン、1.8-シネオールなどがあります。これらは脳を刺激して覚醒を促す作用があり、朝の気分転換や、集中力を高めたい作業中に取り入れると効果的です。香りが交感神経を活性化させることで、眠気や無気力を軽減し、思考をクリアにします。
また、メントールの冷却作用により、筋肉のこわばりや頭痛の緩和が期待できます。
さらに、消化を助ける働きもあり、食後のムカつきや胃もたれ、乗り物酔いの緩和におすすめです。
◆ 主な成分

● メントール:30〜47%
● メントン:15〜30%
● イソメントン:3〜12%
● 酢酸メンチル:3〜6%
● 1.8-シネオール:3〜5%
● β-カリオフィレン:1〜3%
● ネオメントール:〜3%
● リモネン:1〜2%
● プレゴン:1〜2%
● α-ピネン:〜1%
● β-ピネン:〜1%
◆ 心と身体への効果

【心への効果】
・集中したいとき、眠気を覚まして頭をクリアにしてくれる
・気持ちを引き締めると同時に、リラックスもさせてくれる
【身体への効果】
・鎮痛作用
・抗炎症作用
・鎮痙作用
・鎮静作用
・消化促進作用
・健胃作用
・抗菌作用
・抗ウイルス作用
・去痰作用
・デオドラント作用
・発汗作用
・冷却作用
・皮膚軟化作用
・収れん作用
・防虫作用
・清涼感を与える
・歯痛、筋肉痛の緩和に
・集中力を高めたいときに
・胃痛、吐き気、乗り物酔いの緩和に
・咳、たん、鼻づまりのケアに
・虫刺されの痒み緩和に

もっと詳しく
ロッテ中央研究所と昭和薬科大学の研究で、ペパーミントの精油は、O-157に優れた抗菌性と強い殺菌力を持つことがわかっています。
参考 >> ペパーミント精油の腸管出血性大腸菌O157に対する抗菌活性

ペパーミント精油とブレンドの相性が良い精油

【ハーブ系】
クラリセージ、スイート・マージョラム、スパイクラベンダー、スペアミント、セージ、ローズマリー(カンファー、シネオール、ベルベノン)
【柑橘系(シトラス)】
オレンジ・スイート、グレープフルーツ、シトロネラ、プチグレン、ベルガモット、マンダリン、ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)、レモン、レモングラス
【花系(フローラル)】
ゼラニウム、ヘリクリサム(イモーテル)、ラベンダー
【樹木系(ウッディ)】
カユプテ、サイプレス、ティートリー、ニアウリ、ブラックスプルース、ユーカリ(グロブルス、ラディアータ)、ローレル
ブレンドの幅が広く、爽やかさを引き立てるペパーミントは、次の精油と特に好相性です。
おすすめの組み合わせはこちら:
* レモン:集中力アップ、清潔感のある香りに。
* ラベンダー:鎮静とリフレッシュのバランスをとる。
* ローズマリー:頭を冴えさせ、朝のリセットブレンドに最適。
* ユーカリ・グロブルス:呼吸器サポート、季節の変わり目におすすめ。
おすすめのブレンドレシピと使い方
◆ 朝のリフレッシュブレンド
● ペパーミント:2滴
● レモン:3滴
● ローズマリー・カンファー:1滴
ディフューザーで拡散すると、眠気が吹き飛ぶようなクリアな香りに。仕事や勉強の前に最適です。
30ml スプレー容器に、無水エタノール
5mlと精油、精製水
25mlを入れて混ぜればルームスプレーにもなります。
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◆ 筋肉疲労ケアブレンド(マッサージ用)
● ペパーミント:1滴
● ラベンダー:2滴
● スイート・マージョラム:1滴
● ホホバオイル・クリア:10ml
● 10ml スポイト付きガラス遮光瓶
肩や首筋に塗布すると、血行促進とリラックスを同時にサポートします。
運動後のケアや立ち仕事の後にもおすすめ。
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◆ 頭痛対策ロールオン
● ペパーミント:1滴
● ラベンダー:2滴
● ホホバオイル・クリア:10ml
● 10ml ロールオンボトル
こめかみ・うなじ・肩まわりにくるくる塗布。外出先でもさっと使えて便利です。
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ペパーミント精油の禁忌、注意点
● 妊娠中・授乳中の方、3歳未満の乳幼児、てんかんをお持ちの方は使用を避けましょう。
● 高血圧の方は低濃度での使用がおすすめです。
● 皮膚や粘膜を刺激することがあるので、少量から試しましょう。
● 目の近くで使うとビリビリするので注意してください。
● 精油を直接肌につけるのはNG。必ず植物油で希釈(希釈濃度1%以下)しましょう。(要パッチテスト)。 「アロマオイルやアロマスプレーって、どのくらい精油を入れればいいの?」 アロマクラフトを始めてみたものの、希釈の濃度に迷う方は多いのではないでしょうか?精油はとてもパワフルな天然成分。 だからこそ、正 ...
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● 精油は100%天然のエッセンシャルオイルを使用しましょう。 良質な精油を選ぶためには、信頼できるメーカーの製品を選び、目的に応じて自分に合った精油を選ぶことが大切です。 精油は心身に良い影響を与えると言われていますが、正しい選び方をしないとその効果を最大限に ...
信頼できる精油メーカーと選び方 - メディカルアロマに使える精油も紹介!
アロマを深く学びたい方へ
ペパーミント精油は、
・清涼感で頭と心をリセット
・筋肉疲労や消化不良をサポート
・他の精油とブレンドしやすく、応用範囲が広い
という特徴を持ち、初心者にも扱いやすいオイルです。
もし、もっとブレンドの奥深さや精油の組み合わせを学びたい方は、アロマテラピー検定用の書籍や精油セットを活用したり、通信講座を受講するのもおすすめ。
精油を実際に手に取りながら学ぶことで、香りの理解がぐっと深まりますよ。
精油は医薬品ではないため、薬の代わりや治療を目的に使用することはできません。当ブログに掲載されているのは一般的な精油の効果・効能であり、使用した人の心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。とはいえ、精油の芳香成分は、心身の健康に良い影響をもたらすことがわかっています。精油を使う際は、ご自身の体調や体質に合わせて取り入れてみてください。
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