「最近、なんだか地に足がつかない」
そんなふうに感じたことはありませんか?
仕事、人間関係、SNS。頭の中がいつもフル回転で、夜になっても思考が止まらない。
そんな現代人の心に、静かに“土の香り”で寄り添ってくれるのが、パチュリ精油です。
初めてこの香りを嗅いだとき、私は「えっ、これ土の匂い…?」と思いました。けれど、使い続けるうちに、次第にこの深く、包み込むような落ち着きが手放せなくなったのです。
この記事では、パチュリ精油の特徴と心身への効果、他の精油とのブレンド術、日常での使い方など、詳しく解説します。
▷ パチュリ精油とは?
・基本情報
▷ パチュリ精油の主な成分と期待できる効果
・主な成分
・心と身体への効果
▷ パチュリ精油とブレンドの相性が良い精油
▷ おすすめのブレンドレシピと使い方
・香りで集中力を取り戻すルームスプレー
・肌のうるおいサポートブレンド
・夜のリセットアロマ(不安・緊張を手放したいとき)
・フレグランスやキャンドル作りに
・むくみ改善のアロマトリートメント
・冬の乾燥対策クリーム
▷ パチュリ精油の禁忌、注意点
パチュリ精油とは?

◆ 基本情報
精油名 | パチュリ(パチョリ) |
学名 | Pogostemon cablin |
科名 | シソ科 |
和名 | 霍香(カッコウ) |
抽出部位 | 葉 |
抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
原産国 | インドネシア |
オイルの色 | 薄い茶色 |
ノート | ベース |
香り | 濡れた土のにおい、スモーキー、墨汁のような香り |
また、ムエットに付けて1日置くと、より土の印象が強くなりますが、かすかに甘さも含んだ香りになります。

パチュリ精油の主な成分と期待できる効果
◆ 主な成分

● パチュロール:30〜32%
● α-ブルネセン:18〜19%
● α-グアイエン:14〜16%
● セイケレン:8〜9%
● α-パチュレン:6〜8%
● β-カリオフィレン:〜4%
● β-パチュレン:2〜3%
● アシフィレン:〜3%
● ボゴストール:1〜2%
◆ 心と身体への効果

【心への効果】
・鎮静作用
・抗ストレス作用
・思考過多、不安、自己否定などの傾向をやわらげる
【身体への効果】
・抗菌作用
・抗真菌作用
・抗炎症作用
・うっ滞除去作用
・収れん作用
・鎮静作用
・弱い血圧降下作用
・防虫作用
・癒傷作用
・細胞成長促進作用
・抗酸化作用
・皮膚修復作用
・食欲を抑えたいときに
・むくみ、頭痛、下痢などに
・年齢肌、乾燥肌のケアに
・抜け毛、フケなどに
パルマローザ精油とブレンドの相性が良い精油

【ハーブ系】
クラリセージ、スパイクラベンダー、ペパーミント、ローズマリー(カンファー、シネオール、ベルベノン)
【柑橘系(シトラス)】
オレンジ・スイート、グレープフルーツ、プチグレン、ベルガモット、レモン
【花系(フローラル)】
ゼラニウム、ネロリ、ラベンダー、ローズ
【樹木系(ウッディ)】
カユプテ、サイプレス、シダーウッド(アトラス、バージニア)、ジュニパー、ホーリーフ
【樹脂系(バルサム)】
フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラ
【エキゾチック系(オリエンタル)】
イランイラン、サンダルウッド

おすすめのブレンドレシピと使い方
◆ 香りで集中力を取り戻すルームスプレー
● パチュリ:1滴
● オレンジ・スイート:3滴
● ペパーミント:2滴
● 無水エタノール:5ml
● 精製水:25ml
● 30ml スプレー容器
ボトルに入れてよく振り、空間にスプレー。
デスクワーク中の気分転換に。
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◆ 肌のうるおいサポートブレンド
● パチュリ:1滴
● ゼラニウム:1滴
● ラベンダー:2滴
● アルガンオイル:20ml
● 30ml スポイト付きガラス遮光瓶
乾燥が気になる季節におすすめ。夜のスキンケアの仕上げとしても◎。
◆ 夜のリセットアロマ(不安・緊張を手放したいとき)
● パチュリ:1滴
● ベルガモット:2滴
● ラベンダー:2滴
● ホホバオイル・クリア:10ml
● 10ml スポイト付きガラス遮光瓶
キャリアオイル10mLに加えて、首や胸元にやさしく塗布。
深呼吸をしながら香りを感じることで、心がふっと静まります。
◆ フレグランスやキャンドル作りに
パチュリの香りは単品だと使いづらいですが、他の精油とブレンドすることで香りに深みが出て印象がグッと変わります。また、保留剤(香りを長くとどめること)としての役割も期待できるので、フレグランスやキャンドル作りにおすすめです。 香水は、単なるフレグランスではありません。 その香りは、時に「記憶」を呼び起こし、「感情」を整え、「魅力」を引き立てます。 特にアロマ香水は、精油(エッセンシャルオイル)を使って自分の内面や心の状態に ...
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◆ むくみ改善のアロマトリートメント
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◆ 冬の乾燥対策クリーム
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パチュリ精油の禁忌、注意点
● 妊娠中の方は使用を避けましょう。
● 少量の使用なら鎮静作用が期待できますが、多く用いると刺激になるので、少量から使用しましょう。
● 時間がたっても香りが残ります。希釈したものであっても衣類やタオルなどに付くと、洗濯してもにおいが消えないのでご注意ください。
● 精油を直接肌につけるのはNG。必ず植物油で希釈(希釈濃度1%以下)しましょう(要パッチテスト)。 「アロマオイルやアロマスプレーって、どのくらい精油を入れればいいの?」 アロマクラフトを始めてみたものの、希釈の濃度に迷う方は多いのではないでしょうか?精油はとてもパワフルな天然成分。 だからこそ、正 ...
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アロマを深く学びたい方へ
パチュリ精油は、決して派手ではありません。だけど、心の奥に“静かな強さ”を取り戻してくれる香りです。
焦りや不安、迷いの多い時代に、「ただここにいる自分」を思い出させてくれます。
もし、もっとブレンドの奥深さや精油の組み合わせを学びたい方は、アロマテラピー検定用の書籍や精油セットを活用したり、通信講座を受講するのもおすすめ。
精油を実際に手に取りながら学ぶことで、香りの理解がぐっと深まりますよ。
精油は医薬品ではないため、薬の代わりや治療を目的に使用することはできません。当ブログに掲載されているのは一般的な精油の効果・効能であり、使用した人の心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。とはいえ、精油の芳香成分は、心身の健康に良い影響をもたらすことがわかっています。精油を使う際は、ご自身の体調や体質に合わせて取り入れてみてください。