女性特有の悩みでもある、PMSや更年期による症状は、女性ホルモンバランスの乱れが原因と考えられ、心身にさまざまな不調がおこりやすくなります。
ホルモンバランスの影響を受けやすい女性には、心身のリラクゼーションに役立つアロマテラピーがおすすめ。
アロマテラピーは芳香療法ともいわれますが、リラックス効果だけじゃなく、ホルモンバランスを整える効果が期待できる精油もあります。
この記事では、女性ホルモンバランスにアプローチするおすすめのアロマ(精油)や、セルフケアの取り入れ方についてご紹介していきます。
◆ ホルモンバランスの乱れで起こる女性特有の不調〜PMSと更年期障害
◆ 精油を使ったアロマケアが、女性ホルモンバランスを整える?
◆ 女性ホルモンバランスを整えたいときによく使われる精油TOP3
◆ アロマの取り入れ方〜使い方、おすすめブレンドレシピも紹介
・芳香浴
・アロマトリートメント(マッサージ)
・アロマバス
◆ まとめ
◆ 今回ご紹介した材料
ホルモンバランスの乱れで起こる女性特有の不調〜PMSと更年期障害

PMSとは
生理が始まる数日前から心と体の調子がグッと落ち込み、生理が始まると落ち着いていきます。このような症状を3ヶ月以上繰り返したり日常生活に影響が出ると、PMSと診断されます。
PMSの主な症状は、身体面ではだるい、眠い、頭痛、肩こり、むくみ、便秘、下痢、肌荒れ、食欲が増すなど。
精神面では、イライラしやすく怒りっぽい、気分の落ち込み、情緒の不安定さが目立つ、何もやる気が起きない、集中できないなどがあります。
更年期障害とは
卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌量が減少することによってホルモンバランスが乱れ、心身に様々な不調があらわれることを更年期障害といいます。
更年期の期間は、閉経の前後5年、合わせて約10年間といわれていて、だいたい40代〜50代に多く、人によっては60代まで続く人もいます。

更年期障害の主な症状は、身体面ではのぼせ(ホットフラッシュ)、ダラダラと汗が止まらない、体がだるい、眠れない、めまいがする、急な動悸、頭痛、肩こりなど。
精神面では、イライラしやすく怒りっぽい、気分の落ち込み、情緒の不安定さが目立つ、何もやる気が起きないなどがあり、症状が重いと、普段の家事や仕事、日常生活にまで影響が出てしまいます。
精油を使ったアロマケアが、女性ホルモンバランスを整える?

PMSや更年期障害によるイライラや気分の落ち込み、不安感、情緒不安定、不眠、何もやる気が起きないなどの不調に戸惑ったり、ストレスだと感じている方にこそ試してほしいのがアロマテラピー。
アロマテラピーは「芳香療法」ともいわれており、香り(芳香成分)が嗅覚から直接脳へ届くことで、女性ホルモンや自律神経の乱れにアプローチしてくれます。
実際、婦人科でも積極的に取り入れられていて、その効果も報告されているんです。(参考 >> 塩田清二 著 <香り>はなぜ脳に効くのか)
女性ホルモンバランスを整えたいときによく使われる精油TOP3

アロマケアでホルモンバランスを整えたいときによく使われる精油が、サイプレス、クラリセージ、ゼラニウムです。
これらの精油に含まれているセドロール、スクラレオール、オウデスモールという成分にエストロゲン様作用(エストロゲンと似た働き)があり、ホルモンバランスを整えたいときに役立ちます。
ただ、エストロゲン様作用があるため、月経過多、妊娠中、ホルモン依存性の疾患・治療中の方は、これらの精油の使用は避けたほうが良いでしょう。
サイプレス、クラリセージ、ゼラニウムとブレンドの相性が良い精油に、ベルガモット、グレープフルーツ、レモン、イランイラン、ラベンダー、ローズ、スイート・マージョラム、ローズマリー、ローズウッドなどがあります。

アロマの取り入れ方〜使い方、おすすめブレンドレシピも紹介
PMSや更年期の期間・症状は定義されているものの、その個人差は大きいです。更年期の場合、ちょうど仕事や家庭での役割の変化と重なる時期でもあり、ストレスに晒されやすく、余計につらいと感じる方も多いのではないでしょうか。
対応する漢方やサプリメントなどもありますが、日常生活に支障が出るくらい症状が重いと感じたら、我慢せず、医療機関を受診することも必要です。
女性ホルモンバランスを整えるためにも、偏食がちならバランスの良い食事を意識する、夜更かしをやめる、リラックスできるモノ・コトを見つける、など生活習慣の見直しや自分なりの工夫を。
ここからは、普段の生活の中に無理なく取り入れられる簡単アロマケアをご紹介していきます。
芳香浴

『イライラしやすい』『ストレスを感じる』『気分が落ち込む』『やる気が出ない』ときには、香りを嗅ぐだけで気分が整う芳香浴がおすすめ☆

サイプレス、クラリセージ、ゼラニウムの他、以下の精油も単品で嗅ぎやすい香りです。
ローズウッド
ハンカチ、ティッシュ、アロマシールを使うときは、精油を1〜2滴垂らして、デスクに置いたり、寝る前なら枕元に置いておくだけで簡単な芳香浴になります。アロマシールなら、マスクや衣類にも貼れるので、長く香りを楽しみたい方はこちらがおすすめです。
ディフューザーなど芳香器を使うときは、お好みの精油を数滴垂らすだけです(芳香器によっては滴数の指定がある場合も)。水や電気を使わないアロマディフューザーなら持ち運びもラク♪
また、『いろんな精油がブレンドされたものを使いたい』『自分でブレンドするのは面倒だ』という方は、ブレンドエッセンシャルオイルがおすすめです。
生活の木のブレンド精油『ジョホリズム』は、ゼラニウムやローズ、クラリセージなど女性にうれしい精油がブレンドされています。ロールオンフレグランス
もあるので、興味のある方はチェックしてみてください。
アロマトリートメント(マッサージ)

アロマトリートメント(マッサージ)は心身の緊張やコリを癒すなど、高いリラックス効果とストレス緩和が期待できます。
作り方は、遮光瓶にホホバオイルを入れて、使いたいブレンドレシピの精油を入れたら、ふたをしてよくふり混ぜる。これで完成です♪
アロマトリートメント(マッサージ)のやり方
お腹、腰回り、足を中心にトリートメント(マッサージ)していきます。
背中、腰は手が届く範囲でいいので、アロマオイルを擦り込むようにして流します。
腹部のトリートメントは、お腹を時計回りに優しく流していきます。下腹部(おへその下)も温めるように流します。
腕や脚のトリートメントは、手首・足首から上に向かって程よい圧を加えながら流していきます。むくみが気になるときは、指先を使ってギュッギュッと揉んだり、絞るようにしながら流します。
余分なオイルはティッシュや使い捨てのペーパータオル等でふき取ってください。
たくさんのツボや神経が集中する手や足をもみほぐすのも、ホルモンバランスや自律神経を整えたいときに役立ちます。


手にはたくさんのツボがあり、自律神経の働きを調整したり、免疫系にも働きかけてくれるんです。
いつでも手軽にできるので、アロマの香りと合わせて行うことで相乗効果が期待できます。

アロマバス

アロマトリートメント(マッサージ)と同様、体を温めて、老廃物がたまりにくい体づくりに役立つのがアロマバスです。
体のむくみや便秘、不眠、頭痛対策に役立ちます。

用意するもの(アロマバス2回分)
● 30ml遮光瓶
● ホホバオイル・クリア:10ml
● 精油:12滴
-おすすめのブレンドレシピ-
・クラリセージ:3滴
・サイプレス:2滴
・ゼラニウム:3滴
・ローズウッド:4滴
原液で直接湯船に入れると肌がピリピリすることがあるので、必ずキャリアオイルやバスソルトなど、基剤に混ぜてから使いましょう。
アロマバスオイルの作り方
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1遮光瓶にホホバオイル・クリアを入れます。
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21にブレンドレシピの精油を垂らしふたをしたら、上下によく振り混ぜます。これで完成です。
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32で作ったアロマオイルの半分を浴槽に入れ、かき混ぜながら入浴してください。
作ったアロマオイルは日光・高温多湿を避けて保管し、2ヶ月以内に使い切りましょう。
風呂釜の故障の原因になることもあるので、追い炊きはしないようにしましょう。
お風呂から上がったら、水分補給も忘れずに!
まとめ

女性ホルモンバランスの乱れによる心身の不調は、多くの女性が経験するものです。
頭痛や体のだるさ、むくみ、便秘や下痢、吹き出物などの症状に加えて、ちょっとしたことでイラッとしたり、悲しくなって涙が出たりと、人によってその症状はさまざま。
仕方がないと思っても、やっぱり少しでもこの不快な症状をやわらげたいですよね。
普段の生活を規則正しくすることや、食事内容を見直すというのはもちろんですが、ちょっとしたサポートとして、アロマテラピーを活用してみてはいかがでしょう。
精油の成分や効能に目が行きがちですが、香りは自分が心地良い、好きだなと感じるものを優先させてください。自分の好きな香りじゃないなら、無理に使うことはありません。
「苦手な香りだけど、どうしても使いたい」という場合は、自分の好きな香りとブレンドすると、香りがやわらぎ、さらに他の精油成分との相乗効果が期待できます。
前向きな自分を取り戻し、穏やかな時間を過ごしたいと思ったとき、アロマの優しい香りがそのサポートをしてくれますよ。
・精油を使った手作りアロマクラフトを肌に塗布する場合は、事前にパッチテストをして、肌に異常がないことを確認してから使いましょう。
・グレープフルーツ、ベルガモット、レモンには光毒性があるので、日中お肌に使用する場合はご注意ください。
・精油は薬ではありません。また、アロマテラピーは治療行為ではありませんのでご注意ください。
・アロマテラピーや精油については別記事でもご紹介しています。興味のある方はチェックしてみてください。
>> 初心者歓迎♪アロマテラピーの始め方|精油の選び方・使い方・注意点
今回ご紹介した材料