1日の終わり、なんとなく心が落ち着かず眠れない。あるいは、冬になると乾燥がつらくて肌のカサつきが気になる。
そんなとき、あなたを包み込むように支えてくれるのが ベンゾイン精油です。
ベンゾインは「安息香」とも呼ばれ、その名のとおり安心感を与える香りが特徴。
バニラに似た甘く温かい香りで、古くから心の不安を鎮め、呼吸を楽にし、肌をやさしく守るために使われてきました。
この記事では、ベンゾイン精油の特徴や効果、ブレンドの相性やおすすめの使い方まで、詳しくご紹介します。
▷ ベンゾイン精油とは?
・基本情報
▷ ベンゾイン精油の主な成分と期待できる効果
・主な成分
・心と身体への効果
▷ ベンゾイン精油とブレンドの相性が良い精油
▷ おすすめのブレンドレシピと使い方
・心を落ち着ける夜のブレンド
・冬の乾燥肌ケアバーム
▷ ベンゾイン精油の禁忌、注意点
ベンゾイン精油とは?

ベンゾインは東南アジア原産の木、エゴノキ科の樹脂から得られる精油です、樹に傷をつけると樹液がにじみ出し、固まった樹脂をアルコールなどで抽出したものが、私たちが使うベンゾイン精油。
古くから宗教儀式や防腐処理にも使われ、香りは「浄化」と「癒し」の象徴とされてきました。現在でも香水やお香の原料として愛され続けています。
甘くバルサミックな香りは、心を落ち着けたいときにぴったり。冬の夜や、ストレスが強いときに特に役立ちます。
◆ 基本情報
精油名 | ベンゾイン |
学名 | Stras benzoin Stras tonkinensis |
科名 | エゴノギ科 |
和名 | 安息香(アンソクコウ) |
抽出部位 | 樹脂 |
抽出方法 | 溶剤抽出法 |
原産国 | インド、インドネシア、トルコ、タイ、ラオス |
オイルの色 | 褐色 |
ノート | ベース |
香り | 甘くバルサミックな香り |

ベンゾイン精油の主な成分と期待できる効果
◆ 主な成分

● 安息香酸:19〜31%
● バニリン:〜2%
● 安息香酸ベンジル:〜1%
◆ 心と身体への効果

【心への効果】
・鎮静作用
・ストレスや不安、緊張をやわらげ、安心感を与える
・不眠のサポート(研究では鎮静効果が報告されています)
・悲しみや孤独感に寄り添う
【身体への効果】
・強心作用
・血行促進作用
・鎮痛作用
・抗炎症作用
・血圧降下作用
・去痰作用
・癒傷作用(火傷、あかぎれ、しもやけなどに)
・利尿作用
・駆風作用
・咳や気管支炎のケア(呼吸を楽にする働き)
・乾燥肌・ひび割れのケア(保湿・保護効果)
・筋肉の緊張をやわらげる
ベンゾイン精油とブレンドの相性が良い精油

【ハーブ系】
スイート・マージョラム、スパイクラベンダー、ローズマリー(カンファー、シネオール)
【柑橘系(シトラス)】
オレンジ・スイート、プチグレン、ベルガモット、マンダリン、レモン
【花系(フローラル)】
ゼラニウム、ネロリ、ヘリクリサム、ネロリ、ラベンダー、ローズ
【樹木系(ウッディ)】
サイプレス、シダーウッド、ジュニパー、ブラックスプルース、ユーカリ(グロブルス、ラディアータ)、ローズウッド
【スパイス系】
クローブ、コリアンダー、シナモン、ブラックペッパー
【エキゾチック系(オリエンタル)】
イランイラン、サンダルウッド、パチュリ
甘く重厚な香りのベンゾインは、単独でも十分魅力的ですが、ブレンドするとさらに使いやすくなります。
* 柑橘系(オレンジ、ベルガモット、マンダリン)
→ 甘さが軽やかになり、前向きな気分を引き出します。
* フローラル系(ラベンダー、ゼラニウム)
→ 安心感と華やかさを両立。女性におすすめ。
* ウッディ系(サンダルウッド、シダーウッド)
→ 落ち着きが深まり、瞑想やヨガの時間にぴったり。

おすすめのブレンドレシピと使い方
ベンゾイン精油は癒傷作用が高いので、無香料のクリームやホホバオイル等に混ぜて、あかぎれやしもやけといった傷のケアにも適しています。
また、香水やキャンドル作りの際は、保留剤(香りを長くとどめること)としての役割も持ちます。
ただ、ベンゾイン精油は溶剤抽出法で抽出されていることや、オイルの粘度が高いことから、お肌に使う際は注意が必要だし、ディフューザーで使いにくかったりします。
お肌に使うときは低濃度(0.5〜1%)に希釈したり、芳香浴に使うときはティッシュやアロマシールなどを活用すると良いかもしれません。
◆ 心を落ち着ける夜のブレンド
● ベンゾイン:1滴
● ラベンダー:2滴
● オレンジ・スイート:2滴
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◆ 冬の乾燥肌ケアバーム
● ベンゾイン:1滴
● ゼラニウム:1滴
● スパイクラベンダー:2滴
● ホホバオイル・クリア:10ml
● 精製シアバター:10g
小さな容器で混ぜ合わせ、ひじやかかとのケアに。甘い香りとしっとり感に癒されます。
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ベンゾイン精油の禁忌、注意点
● 妊娠中の方は使用を避けましょう。
● ベンゾイン精油はオイルの色が濃いので、ハンカチなどに垂らすのはおすすめしません。アロマストーンも同じく、色が付いたら落ちないのでご注意ください。
>> アロマストーンにベンゾイン精油を垂らしたら・・・
● 皮膚に使用する場合は低濃度(1%未満)から試しましょう(要パッチテスト)。 「アロマオイルやアロマスプレーって、どのくらい精油を入れればいいの?」 アロマクラフトを始めてみたものの、希釈の濃度に迷う方は多いのではないでしょうか?精油はとてもパワフルな天然成分。 だからこそ、正 ...
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この記事を読んで「もっとアロマを生活に取り入れたい」と思った方には、精油の知識を体系的に学べる オンライン講座をおすすめします。ベンゾインをはじめ、心と体を支えるアロマの科学的な背景や安全な使い方を知ることで、セルフケアの幅がぐんと広がります。
私自身も長年の学びで「香り=ただの癒し」ではなく、「心身を支えるツール」としての力を実感しました。
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精油は医薬品ではないため、薬の代わりや治療を目的に使用することはできません。当ブログに掲載されているのは一般的な精油の効果・効能であり、使用した人の心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。とはいえ、精油の芳香成分は、心身の健康に良い影響をもたらすことがわかっています。精油を使う際は、ご自身の体調や体質に合わせて取り入れてみてください。