乾燥や肌荒れが気になるとき、ストレスで気分が沈みがちなときにそっと寄り添ってくれるのが、パルマローザ精油です。
一見あまり知られていない精油ですが、実は肌のバランス調整と心の安定、どちらにも優れた作用を持ちます。
ローズを思わせるやわらかく上品な香りは、緊張をゆるめて前向きな気持ちを取り戻す助けに。
この記事では、パルマローザ精油の特徴や効果、ブレンド相性、使い方を詳しく解説します。
▷ パルマローザ精油とは?
・基本情報
▷ パルマローザ精油の主な成分と期待できる効果
・主な成分
・心と身体への効果
▷ パルマローザ精油とブレンドの相性が良い精油
▷ おすすめのブレンドレシピと使い方
・仕事モードを整えるルームミスト
・保湿と整肌のフェイシャルオイル
・スキンケアローション
▷ パルマローザ精油の禁忌、注意点
パルマローザ精油とは?

パルマローザはイネ科の植物で、原産地はインドなどの熱帯地域。同じイネ科のレモングラスやシトロネラと近い仲間です。
精油は、草の部分から水蒸気蒸留法で抽出されます。その香りはバラに似ていて、甘く、華やかなフローラル調。
この香りの主成分であるゲラニオールが、ローズオットーやゼラニウム精油と似た芳香を生み出しています。
◆ 基本情報
| 精油名 | パルマローザ |
| 学名 | Cymbopogon martini |
| 科名 | イネ科 |
| 和名 | パルマロサグラス |
| 抽出部位 | 全草 |
| 抽出方法 | 水蒸気蒸留法 |
| 原産国 | インド、ネパール |
| オイルの色 | 淡黄色 |
| ノート | トップ〜ミドル |
| 香り | ローズ調の香りで、甘く爽やか |
パルマローザ精油の主な成分と期待できる効果
◆ 主な成分

● ゲラニオール:79〜81%
● 酢酸ゲラニル(ゲラニルアセテート):9〜11%
● リナロール:2〜3%
● β-カリオフィレン:〜2%
◆ 心と身体への効果

【心への効果】
・鎮静作用
・抗ストレス作用
・心が落ち着かないときや、疲労感で集中力が途切れやすいときに
【身体への効果】
・抗菌作用
・抗ウイルス作用
・抗炎症作用
・抗真菌作用
・保湿作用
・収れん作用
・細胞再生促進作用
・疲労回復作用
・子宮強壮作用
・ホルモンバランス調整作用
・PMS(月経前症候群)や更年期の不調緩和に
パルマローザ精油とブレンドの相性が良い精油

【ハーブ系】
クラリセージ、スイート・マージョラム、スパイクラベンダー
【柑橘系(シトラス)】
オレンジ・スイート、シトロネラ、ベルガモット、レモン
【花系(フローラル)】
カモミール(ローマン、ジャーマン)、ジャスミン、ゼラニウム、ネロリ、ヘリクリサム(イモーテル)、ラベンダー、ローズ
【樹木系(ウッディ)】
ローズウッド
【エキゾチック系(オリエンタル)】
イランイラン、サンダルウッド、パチュリ
おすすめのブレンドレシピと使い方
◆ 仕事モードを整えるルームミスト
● パルマローザ:3滴
● ベルガモット:2滴
● オレンジ・スイート:1滴
● 無水エタノール:5ml
● 精製水:25ml
● 30ml スプレー容器
ボトルに入れてよく振り、空間にスプレー。
甘すぎず爽やかな香りで、集中力をサポートします。
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◆ 保湿と整肌のフェイシャルオイル
● パルマローザ:1滴
● アルガンオイル:10ml
● 10ml スポイト付きガラス遮光瓶
洗顔後、化粧水のあとに1〜2滴を顔になじませます。
水分・油分のバランスを整え、やわらかな肌へ。
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◆ スキンケアローション
● パルマローザ:2滴
● ローズウッド:2滴
● フランキンセンス:1滴
● グリセリン:3ml
● 精製水:25ml
● 30ml スプレー容器
洗顔後、よく振ってから顔にスプレーし、手のひらでなじませます。
乾燥肌の保湿に◎。
冷蔵庫保管で2週間以内に使い切ってください。
パルマローザ精油の禁忌、注意点
● 妊娠中の方や、イネ科アレルギーのある方は使用を避けましょう。
● 精油を直接肌につけるのはNG。必ず植物油で希釈(希釈濃度1%以下)しましょう。(要パッチテスト)。 「アロマオイルやアロマスプレーって、どのくらい精油を入れればいいの?」 アロマクラフトを始めてみたものの、希釈の濃度に迷う方は多いのではないでしょうか?精油はとてもパワフルな天然成分。 だからこそ、正 ...

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アロマを深く学びたい方へ
パルマローザ精油には、
・主成分ゲラニオールによる高い整肌・抗菌作用
・不安やストレスをやわらげる穏やかな香り
・ブレンドのベースにも使える柔軟性
があります。肌トラブルを防ぎたい方、自然な香りでリラックスしたい方に最適な1本です。また、ローズ精油が高価で手に入りにくいときには、香りと機能の両面で代替できる存在として役立ちます。
もし、もっとブレンドの奥深さや精油の組み合わせを学びたい方は、アロマテラピー検定用の書籍や精油セットを活用したり、通信講座を受講するのもおすすめ。
精油を実際に手に取りながら学ぶことで、香りの理解がぐっと深まりますよ。
精油は医薬品ではないため、薬の代わりや治療を目的に使用することはできません。当ブログに掲載されているのは一般的な精油の効果・効能であり、使用した人の心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。とはいえ、精油の芳香成分は、心身の健康に良い影響をもたらすことがわかっています。精油を使う際は、ご自身の体調や体質に合わせて取り入れてみてください。



