アロマ精油は、リラックス効果やストレス軽減に役立つ芳香療法として広く知られています。しかし、精油には血圧に影響を与えるものもあり、高血圧や低血圧の方は注意が必要です。アロマを安全に楽しむためには、どの精油が自分の体調に合っているのかを知っておくことが大切です。
この記事では、アロマ精油と血圧の関係について解説し、高血圧・低血圧の方にとって禁忌となる精油とおすすめの精油をご紹介します。自分に合った精油を選んで、血圧管理にも役立てましょう。
▷ アロマ精油が血圧に与える影響
▷ 高血圧に禁忌のアロマ精油とおすすめの精油
・高血圧に禁忌のアロマ精油
・高血圧におすすめのアロマ精油
▷ 低血圧に禁忌のアロマ精油とおすすめの精油
・低血圧に禁忌のアロマ精油
・低血圧におすすめのアロマ精油
▷ 精油の取り入れ方
▷ 高血圧と低血圧の両方に共通の注意点
▷ まとめ
▷ 今回ご紹介した材料
アロマ精油が血圧に与える影響
アロマ精油は、リラックスを促進するものが多く、心拍数を安定させ、血圧を下げる助けとなる場合があります。ラベンダーやカモミールなどの精油は、ストレスを軽減し、リラックス感をもたらし、血圧を安定させる効果が期待できます。
一方で、血行を促進する精油(ローズマリーやシナモンなど)は、血圧を上げる可能性があるため、高血圧の方には注意が必要です。
すべての精油が血圧に与える影響は異なります。心拍数や血流を促進する精油は、高血圧の方には不向きである一方、低血圧の方には良い影響を与えることがあります。また、リラックス作用が高い精油は、低血圧の方には不向きである一方、高血圧の方には良い影響を与えることがあります。
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精油の中には、"血圧を上げるので高血圧の方は禁忌" と言われるものがあります。逆に、"血圧を下げるので低血圧の方は控えたほうがいい" というものもあります。 個人的には精油を単品で使うことはほとんどな ...
高血圧に禁忌のアロマ精油とおすすめの精油
WHOの基準では、上の血圧が140mmHg以上、または下の血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と判断されます。高血圧は、血液が血管内を流れる際にかかる圧力が高くなる状態で、心臓や血管に負担をかけ、動脈硬化や脳卒中、心疾患などのリスクを高めます。
アロマ精油には、リラックス作用のある精油が多いですが、血圧を上げる可能性のある精油も存在するので、高血圧の方は特に注意が必要です。
高血圧に禁忌のアロマ精油
高血圧の方は、血圧を上昇させる可能性のある精油は避け、リラックス効果のある精油を選ぶことをおすすめします。例えば、血行促進作用のある精油は、心拍数や血圧を上昇させる可能性があり、高血圧の方には不向きです。高血圧の方は以下のアロマ精油を避けるようにしましょう。
ローズマリー、ペパーミント、ユーカリ、タイム、クローブ、シナモン、セージ、ホワイトセージ、バジル など
香りを「少しも嗅いじゃダメ」ということはないですが、「禁忌として挙げられているし、ちょっと心配・・・」という方は、控えて正解です。
ビクビクしながら使って血圧を気にするくらいなら、ほかの精油でアロマテラピーを楽しみましょう♪
高血圧におすすめのアロマ精油
リラックス効果のある精油は、ストレスや緊張を和らげたり心を落ち着かせてくれるため、高血圧の方におすすめです。
ラベンダー、イランイラン、カモミール・ローマン、ベルガモット、マンダリン、サンダルウッド、スイート・マージョラム など
低血圧に禁忌のアロマ精油とおすすめの精油
WHOの基準では、上の血圧が100mmHg以下、下の血圧が60mmHg以下であれば、低血圧と判断されます。低血圧により血流が不十分になると、エネルギーが十分に供給されず、常に疲れているように感じたり、頭がぼ〜っとしたり、集中力が低下したりすることがあります。
アロマ精油には、リラックス作用のある精油やエネルギーを与える精油があるので、ご自身の体調に合わせて上手に使い分けてみてください。
低血圧に禁忌のアロマ精油
リラックス作用が高い精油は、低血圧の方には眠気やだるさを感じる原因になることがあります。どうしても使いたい場合は、少量からの使用を心がけましょう。
ラベンダー、カモミール・ローマン、イランイラン、パチュリ など
低血圧におすすめのアロマ精油
低血圧の方には、血行促進作用のある精油がおすすめです。低血圧によるだるさや頭のぼんやり感を和らげてくれます。
ローズマリー、ペパーミント、ジンジャー、オレンジ・スイート、レモン など
精油の取り入れ方
高血圧、低血圧共通のおすすめの使い方として、ディフューザーを使った芳香浴や、オイルマッサージがあります。
ディフューザーがない場合は、ティッシュやハンカチを使った芳香浴でも十分です。精油を1〜3滴垂らして鼻の近くに持っていき香りを嗅ぐだけなので、簡単に取り入れることができます。また、アロマシールに精油を染み込ませてマスクに貼っても◎。 夏の芳香浴にも最適!マスクにも、携帯ミニ扇風機にも、衣類にも、ピタッとくっついてはがれない『アロマシール』の使い方、活用例をご紹介します。 火も電気も使わないので、誰でも簡単にアロマの香りを取り ...
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お部屋全体にしっかり香りを広げたいときは、ネブライザー式アロマディフューザーを。精油本来の香りをそのまま感じられるので、おうちで勉強や仕事をするときに重宝します。 ネブライザー式アロマディフューザーには、精油(エッセンシャルオイル)の原液を垂らして霧状に噴霧させて使うタイプと、ディフューザー本体にアロマオイルのボトルを直接取り付けて使うタイプがあります。 ...
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乾燥した時期には、湿度を保ちつつウイルス対策もできる超音波タイプがおすすめです。
また、手作りのロールオンアロマを手首などにコロコロ塗って香りを嗅ぐのも良いですよ。
ロールオンアロマの作り方
● ホホバオイル・クリアまたはスクワラン:8〜10ml
● 精油:2滴
【ブレンドレシピ例】
<1> 高血圧におすすめのリラックスブレンド【ラベンダー1滴+オレンジ・スイート1滴】or【カモミール・ローマン1滴+サンダルウッド1滴】
<2> 低血圧におすすめのエネルギーブレンド【ローズマリー1滴+ペパーミント1滴】or【オレンジ・スイート1滴+ジンジャー1滴】
ロールオンボトルにホホバオイル(またはスクワラン)と、<1> or <2>の精油を入れて、よく振り混ぜれば完成です。
高血圧と低血圧の両方に共通の注意点
1. 苦手な香りは使わない
一般的にリラックス効果や活力を与えるとされるアロマ精油であっても、「苦手な香りだな」と感じたものに対しては、期待される効果と真逆の反応を示すことがあります。効果よりもまずはご自身にとって「心地よい香りかどうか」を優先して精油を選ぶことをおすすめします。
2. 希釈して使う
精油を直接お肌につけることはできません。マッサージオイル、またはアロマバスに使用する場合は、必ずキャリアオイル(ホホバオイルなど)で希釈して使用しましょう。また、芳香浴であっても、高濃度での使用は体に負担をかける可能性があるため、長時間の使用には注意が必要です。 Karisugiはじめに・・・ ここでご紹介するアロマオイルは、精油とキャリアオイル(精油を薄めるときに使うオイル)を混ぜて作ったものです。 アロマディフューザーなど芳香浴に使うアロマオイルではあ ...
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3. 過剰使用を避ける
1回の使用量を守り、過剰に使わないようにしましょう。精油は香りも強いので、少量で試すことをおすすめします。
4. 医師に相談する
血圧が高い、または低いと感じている場合は、精油を使う前に医師に相談することをおすすめします。
まとめ
アロマ精油には、血圧を上げるものもあれば、下げるものもあります。高血圧の方にはリラックス作用が高い精油を、低血圧の方には血行促進作用のある精油がおすすめです。
過剰に使わないように注意しながら、自分の血圧や体調に合った精油を取り入れて、健康的なライフスタイルをサポートしましょう。
今回ご紹介した材料
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この記事を書いた人
主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。