喘息があると、アロマの香りを楽しむことに不安を感じることがありますよね。ですが、実はアロマテラピーは喘息のケアにも役立ちます。ただし、すべての精油が喘息に適しているわけではありません。
この記事では、喘息の人におすすめの精油と避けるべき精油を紹介し、安全にアロマケアを楽しむためのポイントを解説します。正しい使い方を知って、アロマを無理なく取り入れていきましょう。
▷ 喘息とアロマテラピーの関係
▷ 喘息に役立つ精油の選び方とおすすめ精油
▷ 喘息の人にラベンダー精油は禁忌?
▷ 喘息の人におすすめのアロマの使い方
▷ 喘息の人がアロマテラピーを行う時の注意点
▷ まとめ
▷ 関連記事
喘息とアロマテラピーの関係

喘息は、ダニやホコリ、カビ、花粉などのアレルゲンや、喫煙、風邪、ストレス、疲労、気象の変化などが刺激(原因)となり、気道が炎症や痙攣(けいれん)を起こして狭くなり、咳・たん、胸の苦痛、息苦しさなどの症状が現れます。
アロマテラピーで使用される精油には、喘息発作の原因である風邪やストレスにアプローチしたり、咳やたんを軽減して呼吸をスムーズにする働きがあり、日々のセルフケアに役立てることができます。
ただ、喘息発作を起こすのは夜間や明け方が多く、副交感神経(自律神経のひとつ)が優位に働いている時です。となると、寝る前にリラックス効果のある精油でさらにリラックス効果を高めるようなアロマケアは避けたほうが良いと考えます。
副交感神経が優位になっている時というのは、リラックスしている時で、気道が狭くなっています。交感神経が優位になっている時は逆で、気道が広くなります。つまり、寝る前にアロマケアを行うなら、副交感神経を優位にさせる精油よりも、交感神経を優位にさせる精油のほうが適しているということです。
また、今まさに咳き込んで苦しそうな時に、リラックスさせてあげようと鎮静作用の高い精油を使うのも避けたほうが良いでしょう。
喘息のアロマテラピーは、"今まさに症状で苦しんでいる" 時に使うより、そのような "不調になる前の対策" として取り入れることをおすすめします。
喘息に役立つ精油の選び方とおすすめ精油

喘息の人は、症状がない時でも炎症が起きている状態です。アロマテラピーで使う精油は、ストレスや過労、感染症など喘息の刺激となる原因を少しでも軽減したり、呼吸器系をサポートする精油を選びます。
喘息に役立つ精油の選び方
喘息には、交感神経を優位にさせる精油や鎮痙作用、疲労やストレス緩和、風邪予防などに役立つ働きがある精油がおすすめです。
スーッとした清涼感のある精油は、呼吸を楽にしてくれます。特に1.8シネオールを含む精油には、抗炎症作用、粘液溶解作用、鎮咳作用、去痰作用などがあり、呼吸器系のサポートに役立ちます。
- 1.8シネオールを多く含む精油
- 抗炎症作用がある精油
- 気管支への鎮痙作用が期待できる精油
- 鎮咳作用や去痰作用、抗カタル作用がある精油
- 免疫調整作用のある精油
- 交感神経を優位にさせる精油(※ 寝る前のアロマケア時)
おすすめの精油
ユーカリ精油には、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、抗カタル作用、鎮咳作用、去痰作用があります。鼻や気道がスッキリとするような清潔感のある香りが特徴です。
フランキンセンス
フランキンセンス精油には、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、鎮静作用、去痰作用があります。不安や緊張を和らげ、呼吸を深くしてリラックスさせてくれます。また、免疫力を高める働きが期待できるため、風邪予防にもおすすめです。
スパイクラベンダー
スパイクラベンダー精油は、気管支の鎮痙作用のほか、免疫力を高め、風邪予防に役立ちます。一般的なラベンダー精油より甘さの少ないフレッシュな香りです。
ニアウリ
ニアウリ精油には、抗ウイルス作用、抗炎症作用、鎮咳作用、去痰作用、免疫調整作用があり、感染症対策や呼吸器系のサポートに役立ちます。スッとした清涼感のある香りが特徴です。
レモン
レモン精油には、抗菌作用、抗ウイルス作用、抗炎症作用、免疫調整作用があります。"喘息の咳に" というより、普段のセルフケアや、集中したい時、リフレッシュしたい時におすすめ。他精油とブレンドの相性も良いです。

精油は天然100%のものを使いましょう。『アロマオイル』は『精油(エッセンシャルオイル)』とはまた違うものなので、購入の際は注意してください。 良質な精油を選ぶためには、信頼できるメーカーの製品を選び、目的に応じて自分に合った精油を選ぶことが大切です。 精油は心身に良い影響を与えると言われていますが、正しい選び方をしないとその効果を最大限に ...
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喘息の人にラベンダー精油は禁忌?
「喘息とアロマテラピーの関係」でもお伝えした通り、喘息の人は副交感神経を優位にする精油を使ったアロマケア(特に就寝前のアロマトリートメント等)は避けたほうが良いでしょう。

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ただ、ラベンダー精油の芳香浴は、喘息症状の軽減に役立つ可能性があることがわかっています(参考:マウス喘息モデルでラベンダー精油の抗アレルギー作用を科学的に証明)。

また、シナモン精油、クローブ精油、カンファー精油は刺激が強く呼吸器を刺激することがあるため、喘息の人は避けましょう。
喘息の人におすすめのアロマの使い方
喘息の人には、ディフューザーを使った芳香浴や、胸・背中のオイルトリートメント(マッサージ)、マグカップに精油を垂らして蒸気吸入...といったアロマケアがおすすめです。
ディフューザーを使った芳香浴や蒸気吸入

ディフューザーを使った芳香浴や蒸気吸入は、低濃度から始めてください。特に蒸気吸入を行う際は、いっきに蒸気を吸うと刺激を感じて咳が出ることがあるので、少しずつ蒸気に近づいて吸うようにしてください。
また、蒸気吸入は咳がひどい時には行わないようにしましょう。気道粘膜を刺激してさらに苦しくなってしまうことがあります。 アロマテラピーは、ストレス緩和やリラクゼーションのほか、乾燥や風邪が気になる季節のセルフケアにも役立ちます。 栄養のあるものを食べて、しっかり睡眠をとり、体をリラックスさせるなど基本的な風邪対策を行 ...
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手作りアロマオイルでトリートメント(マッサージ)

オイルトリートメント(マッサージ)は、呼吸機能や免疫力を高めたり、心身の疲労・ストレス・緊張を解きほぐしたい時に役立ちます。
【材料】
● ホホバオイル・クリアまたは植物性オイル:20ml
● 精油:4滴(1滴0.05mlの精油の場合)、または7滴(1滴0.03mlの精油の場合)
>> 精油の希釈濃度・滴数 一覧表
● 30ml遮光性ガラスボトル
【作り方】
ボトルにホホバオイルと精油を入れ、蓋をしてよく振り混ぜます。
【使い方】
使う前によくボトルを振ります。
胸や背中にアロマオイルを適量塗布し、優しく手のひらで流します。ゆったりした気持ちでアロマの香りとマッサージの心地よさを感じてください。
肌に赤みやかゆみなどを感じた時は、使用を中止し洗い流してください。
手作りアロマオイルは冷暗所に保管し、1〜2ヶ月以内に使い切ってください。

喘息の人がアロマテラピーを行う時の注意点

喘息の人がアロマテラピーを行う際は、主に以下の点に注意してください。
- 1. 精油を希釈したマッサージオイルやスプレー、化粧水などをお肌に塗布する時は、事前にパッチテストを行う。
- 2. 喘息発作を引き起こす可能性のある精油やアロマケアを避ける。
- 3. トリートメント(マッサージ)を行う際は使用精油に十分注意し、オイルの濃度は、始めは低濃度から行う。
- 4. 喘息の人は、精油を使用する前に医師に相談する。
- 5. 精油を薬や治療の代わりにしない。
【2】についての補足として、喘息の人は「リラックス効果の高い精油を使ってはダメ」というわけではありません。ただし、副交感神経が優位になりすぎるような使い方をしないよう、注意が必要です。
副交感神経が優位な状態というのは、リラックスしている状態を指します。例えば、時間をかけたアロマトリートメント(マッサージ)や、ぬるめのお湯に長時間入浴するとリラックス効果が高まりますよね。これだけでも喘息の方には刺激になり得ます。そこにリラックス効果の高い精油(鎮静作用のある精油)をいっしょに使えばどうなるでしょう。副交感神経が優位になりすぎてしまいますよね。
普通の咳と違い、喘息の咳は副交感神経が優位になり、気管支が狭くなることも誘因の1つとされているので、使い方や精油の組み合わせには注意しましょう。
もう1つ、注意したいのが、使用する精油の科名、成分についてです。
「喘息はアレルギーが原因であることが主である」ということを踏まえて、使う精油が何科なのか、主な成分は何かも事前にチェックする必要があります。
例えば、『パルマローザはイネ科、サイプレスはヒノキ科、カモミールはキク科なので、それぞれアレルギーのある方は注意』
とか、
『ウィンターグリーンにはサリチル酸メチルが含有されているので、アスピリンアレルギーのある方は使えない』
など...。
"心配な方は避けたほうがいい精油" はほかにも多くあるので、精油を使用する前にチェックしてみてください。 アロマテラピーで使う精油について、『精油名』『香り』『精油成分』から探せるようにまとめました。香りや成分、効果・作用、ブレンドの相性、使い方などの参考までに。精油に含まれる成分「テルペン」はCBDとも ...
精油と成分|精油名、香り、成分から探す
まとめ
今回は、喘息の人におすすめの精油と避けるべき精油を紹介し、安全にアロマケアを楽しむためのポイントを解説しました。
よく "リラックス効果がある精油は、喘息のある方には禁忌" と言われますが、発作の刺激にならないように気をつければ、生活に取り入れることができます。
ご自分の体質や体調に合わせて、無理のない範囲でアロマテラピーを活用してみてください。
より詳しく精油の知識を学びたい、セルフケアに役立てたいという方は、自宅で学べて資格も取れる講座もあります。この機会に精油の特徴や正しい使い方を学んでみてはいかがでしょう。
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この記事を書いた人

主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。