体感温度を下げる「メントール」|作用、効果、安全性、活用法

体感温度を下げる「メントール」|作用、効果、安全性、活用法

夏の暑さやジメジメとした蒸し暑さで、どうしても体がだるくなってしまうこと、ありませんか?

そんなとき、スーッと爽やかな涼しさを届けてくれるのが「メントール」の冷感作用。ミントの香りにも含まれているこの成分は、実は体感温度を下げる働きがあるんです。

冷房に頼りすぎず、自然に涼しさを感じたいとき、メントールの香りをうまく取り入れると、気分まで軽くなりますよ。

今回はそんなメントールの作用や効果、安全性、生活への取り入れ方を詳しくご紹介します。

暑さ対策にぜひ、取り入れてみてくださいね!

 

メントールとは?特徴と成分の基本

メントール

メントールは、ペパーミントやハッカなどの植物に含まれる天然の芳香成分モノテルペンアルコール類に分類されます。

清涼感のある香りとスースーした爽快感が特徴で、医薬品、歯磨き粉、アイスクリーム、入浴剤ほか、さまざまな製品に使われています。

肌に触れるとひんやりとした感じがしますが、実際に体温を下げているわけではありません。また、冷やすだけじゃなく温める作用もあります。

植物由来の「天然メントール」と、合成された「合成メントール」があり、アロマやナチュラルケアに使うときは天然由来の精油(エッセンシャルオイル)がおすすめです。

メントールの作用・効果とは?

精油成分の主な作用、期待できる効果

メントールの最大の特徴は、皮膚や粘膜に触れると冷たく感じる“冷感作用”。これは実際に温度が下がるわけではなく、神経の温度センサーが刺激され「冷たい」と錯覚することで、体感温度を下げてくれるんです。

また、メントールは体感温度を下げるのと同時に体を温めようとする機能が働き、代謝が高まるので、ダイエットにも注目されています。

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暑さ対策はもちろん、においやベタつき、疲労感の軽減にも役立つ成分です。

・抗菌作用
・抗ウイルス作用
・抗炎症作用
・鎮痛作用
・鎮静作用
・血行促進作用
・鼻づまりやのどケアに
・清涼感アップ
・暑さや蒸し暑さの軽減
・虫よけ効果(蚊、蜂、ダニ、ゴキブリ、ネズミ)
・においが気になる場所の消臭に
・吐き気や乗り物酔いなどに
・リフレッシュ&リラックスしたいとき、集中したいときに
・線毛の働きを活発にする作用

鼻やのどにある線毛は、細菌やウイルスなどが肺に入らないようにしたり、体の外に排出したりする働きがありますが、乾燥と寒さでその働きが弱くなります。夏だけじゃなく冬にもメントールを含む精油は役に立ちそうですね。
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メントールを含む精油

成分を含む精油

薄荷精油(50〜65%)

ペパーミント(30〜50%)

ハッカ油(和ハッカ)(30%〜)

メントールの安全性と注意点

精油成分の安全性
メントールは基本的に安全性の高い成分ですが、濃度や使用方法によっては肌刺激や粘膜刺激を起こすことがあります。
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● 精油は必ず適切な濃度で使用し、直接肌に塗布しない。

● 希釈して肌に塗布する場合は必ずパッチテストを行う。

● 小さな子どもやペットには濃度に注意(1%未満推奨)する。

● 目や口の中、粘膜には直接使わない。

● 妊娠中・乳幼児・ペットのいる環境では使用を控えるか、十分に換気をして使用する。

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精油の場合は、ペパーミント精油で全体量の1〜3%程度までを目安にしましょう。

体感温度を下げる「メントール」の活用アイデア

体感温度を下げる「メントール」|作用、効果、安全性、活用法

体感温度とは、体が感じる温度のことですが、気温が下がれば低くなるというものではありません。たとえ気温が下がらなくても、湿度を下げたり、風に当たったり、日差しを避けるだけで体感温度をグッと下げることができるんです。

簡単に即実感できる暑さ対策として、首の後ろ、わきの下、足の付け根、ひざの裏など太い血管やリンパが集中している部分を冷やす方法があります。

ここにメントールを含む精油を活用したアロマケアを行えば、爽やかな清涼感を感じながら気分もリフレッシュ!

ここからはメントールの効果を暮らしに取り入れる、簡単&実用的な方法をご紹介します。

アロマスプレー

体感温度を下げる「メントール」|作用、効果、安全性、活用法

アロマスプレーを首の後ろに数プッシュしたあと風を当てると清涼感がアップします。マスクスプレーやルームスプレー、枕元に使っても○。

青系の色を見たり、空間に取り入れるだけでも体感温度が下がるそうですよ!スプレーボトルのカラーに取り入れてみるといいかも♪
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【アロマスプレーの作り方】
30mlスプレーボトル無水エタノール5mlハッカ油(またはペパーミント精油)6滴精製水25mlの順に入れ、ふたをしてよく振り混ぜます。これで完成です。

精油の原液使用は肌や粘膜を刺激するので、必ず希釈してから使いましょう。
スプレーは冷暗所で保管し、2週間以内に使い切りましょう。

アロマに慣れていない方には、既製品のハッカ油スプレーがおすすめ。持ち運び用にも便利な10mlサイズで、食品添加物としても使えるので、うっかり口に入ってしまったとしても安心です。

暑さ対策だけじゃなく、虫除けや花粉症対策、マスクスプレー、おしぼり作りにも使えます。

アロマ冷湿布・冷タオル

体感温度を下げる「メントール」|作用、効果、安全性、活用法

おうちでも外出先でも簡単に作れるのがアロマ冷湿布

水を張ったボウルにハッカ油(またはペパーミント精油)を1〜2滴垂らし、タオルを浸してしぼればアロマ冷湿布の完成です。ボウルがないときは、水で濡らしたタオルに精油を1〜2滴垂らし、くしゅくしゅ揉むだけでもOK。

これを額や首の後ろ、わきの下、足の付け根、ひざの裏のいずれかに当てます。拭いたところがスースーします。ハンディファンや扇風機など風に当てるとさらに涼しく感じますよ。

特に「首」は、温めると血行が良くなり、冷やすと体全体が冷える部位なので、早く体感温度を下げたいときは、常に露出している首を冷やすのが手っ取り早くおすすめです。
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精油を垂らした箇所が直接肌につかないようにしましょう。ハッカ油は1滴でも十分スースーするので、気持ち良いからといって多量に使わないように注意してください。

ハッカ油のアロマバス

入浴時にハッカ油を湯船に数滴入れれば、湯上がりもスーッと快適。熱帯夜におすすめです。

ただし、ハッカ油は入れすぎに注意!まずは2滴から入れて、最大5滴以内に留めましょう。

車内用アロマストーン

ペパーミントやユーカリ精油をアロマストーンに垂らして車内に置けば、爽やかな香りで消臭効果も期待できます。

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アロマハンディファン

体感温度を下げる「メントール」|作用、効果、安全性、活用法

風とともにアロマの香りが拡散される、夏の芳香浴にピッタリなアロマハンディファン

ハッカ油やペパーミントをアロマシールに垂らして風を送るだけ。風がひんやり感じられて気持ちいいですよ♪

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おすすめのブレンドレシピ

【リフレッシュ・消臭ブレンド】
ペパーミント(3滴)×ユーカリ(2滴)×レモン(3滴)
ルームスプレーやマスクスプレー、ディフューザーに。

【虫よけブレンド】
ハッカ油(3滴)×ラベンダー(3滴)×レモングラス(2滴)
アウトドアスプレー、寝室用ディフューザーに。

【クールダウンブレンド】
ペパーミント(2滴)×ラベンダー(2滴)×ゼラニウム(1滴)
アロマバス、フットバス(足湯)、アロマ冷湿布に。

 

精油の活用方法やブレンドレシピに興味のある方には、↓↓の本が参考になります。

まとめ|夏こそ上手にメントールを取り入れよう

メントールは、体感温度を下げる冷感作用に加え、消臭・抗菌・リフレッシュ・虫よけ効果まで兼ね備えた、暮らしに役立つ成分です。

暑さや蒸し暑さの不快感を和らげ、毎日を快適に過ごしたいときにぴったり。

正しい濃度と使い方を守りながら、メントールの力で夏の暮らしをもっと心地よく整えてみてくださいね。 
 

より詳しく精油の知識を学びたいセルフケアに役立てたいという方は、自宅で学べて資格も取れる講座もあります。この機会に精油の特徴や正しい使い方を学んでみてはいかがでしょう。


メディカルアロマ検定 公式サイト

 

今回ご紹介した精油

※ 精油(エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
精油は医薬品ではないため、薬の代わりや治療を目的に使用することはできません。当ブログに掲載されているのは一般的な精油の効果・効能であり、使用した人の心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。とはいえ、精油の芳香成分は、心身の健康に良い影響をもたらすことがわかっています。精油を使う際は、ご自身の体調や体質に合わせて取り入れてみてください。
 

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この記事を書いた人Karisugi
主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。

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