近年、ヘンプやマリファナという言葉をよく耳にするようになりましたが、これらは同じ大麻植物に由来するものです。しかし、用途や性質、法律的な扱いにおいては大きな違いがあります。
この記事では、ヘンプとマリファナの違いについて、わかりやすく解説していきます。
ヘンプとマリファナの違いとは?
まず最初に、ヘンプ(hemp)とマリファナ(Marijuana)は、どちらも「大麻(カンナビス)」という植物に属しています。しかし、同じ植物でも、THC含有量、使用用途、法的な位置付けにおいて違いがあります。
ヘンプ | マリファナ | |
THC含有量 | 0.3%以下(精神的作用なし) | 0.3%を超える、高濃度(精神的作用あり) |
主な用途 | 繊維、健康食品、CBD製品、環境素材 | 医療・娯楽目的 |
法律 | 多くの国で合法 | 多くの国で制限または違法 |
1. THC含有量の違い

ヘンプとマリファナの最大の違いは、THC(テトラヒドロカンナビノール)の含有量です。THCは大麻に含まれる化学成分で、主に精神的な作用を引き起こす物質です。
ヘンプ:THCの濃度が0.3%以下と非常に少ないか、ほとんど含まれていない大麻品種を「ヘンプ」または「産業用ヘンプ」と呼びます。精神作用を引き起こすことはありません。
マリファナ:米国では、2018年の農業法に基づき、THC濃度が0.3%を超えるものをマリファナと区別しています。摂取すると「ハイ」になるなど精神作用があります。


2. 用途の違い

ヘンプ:繊維や種子が多岐にわたる用途に利用されます。例えば、衣類やロープ、建材、紙などの素材として利用されるほか、ヘンプオイルやCBDオイル、ヘンププロテインなど、健康食品や美容製品にも使われています。また、ヘンプは環境に優しく、持続可能な農業の一環としても注目されています。

マリファナ:主に娯楽や医療目的で使用されます。強い陶酔作用や依存性の心配があり危険とされる一方、医療用としてのメリットもあり、特に慢性痛や不安、鬱などの症状に効果があるとされています。

3. 法的な違い

ヘンプとマリファナは法的にも違いがあります。ヘンプは多くの国で合法的に栽培・使用が認められているのに対し、マリファナ-特に嗜好用大麻-は、依存性や乱用のリスクがあるとして規制されている場合が多いです。また、マリファナの嗜好目的での使用は違法としながらも、非刑罰化・非犯罪化としている国もあります。
合法 | 違法 | 違法だけれど非刑罰化・非犯罪化 | |
医療目的での大麻 使用に関する規制 | イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、 スペイン、ポルトガル、ジョージア、 カナダ、ウルグアイ、メキシコ、 南アフリカ、オーストラリア、 オランダ、ジャマイカ、チェコ、 マルタ、ルクセンブルク、ギリシャ、 デンマーク、コロンビア、韓国、 タイ、イスラエル、オーストリア、 ニュージーランド | 日本、アメリカ(国としては違法。36州 及び4つの地域では合法)、ロシア、 インド、スウェーデン | ー |
嗜好目的での大麻 使用に関する規制 | カナダ、ウルグアイ | 日本、イギリス、ドイツ、フランス、 アメリカ(国としては違法。15州及び3 つの地域では合法)、ギリシャ、韓国、 デンマーク、インド、タイ、イスラエル 、オーストリア、ニュージーランド、 スウェーデン | ー |
違法だけれど非刑 罰化・非犯罪化 | ー | ー | イタリア、スペイン、ポルトガル、ロシア 、オランダ、オーストラリア、ジャマイカ 、チェコ、ルクセンブルク、コロンビア、 マルタ |
参考;【国際的な大麻の規制状況】(2019年1月時点/厚生労働省調べ)
新情報ドイツでは、2024年4月より個人による嗜好用大麻の所持、使用が条件付きで合法化されました。

まとめ
ヘンプとマリファナは見た目や植物の種類が同じでも、THC含有量、用途、法的な位置付けの面で違いがあります。
また、日本で販売されているCBD製品に使われているのは、ヘンプ由来(大麻草の成熟した茎、種子から抽出)で、かつTHCが完全に除去されたものです。
THCを含んだマリファナは、海外では医療や娯楽目的で使われているところもありますが、日本では法律により所持も使用もできません。CBD製品を購入の際は、必ずTHCフリーであることを確認するように注意しましょう。
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この記事を書いた人

主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。