岩手県宮古市には、ちょっと変わったお盆の風習があります。
それが、「松明かし」と、「お墓参りの花火」です。どちらも仏様(ご先祖様)のあるおうちでします。
◇ 松明かし?お墓で花火?岩手県宮古市のちょっと変わったお盆の風習
* 8日間、松を燃やして花火して・・・
* "お墓で花火" はばちあたり?いいえ、これが宮古の風習です。
* いがぐり付きの栗の枝に「魔除け」効果が?
◇ 8月いっぱいお盆な気分
◇ 番外編:松明かしに使う松には当たりハズレがある?燃える松と燃えない松
松明かし?お墓で花火?岩手県宮古市のちょっと変わったお盆の風習
『8日間の松明かし』に『お墓で花火』、『いがぐり付きの栗の枝を飾る』など、由来はよくわからないけれど今でも行なっている、宮古市の風習をご紹介します。
8日間、松を燃やして花火して・・・
松明かしは、8月1日の「迎え火」に始まり、7日、13日、14日、15日、16日、20日、最終日31日の「送り火」まで合計8日間、夕方〜夜、自分の家の前で松を燃やします。
小さいお子さんがいるおうちでは、手持ち花火、ロケット花火など、松明かしをしながら花火をしています。道路がめちゃくちゃ煙ります。消防車もこの8日間はカンカン鳴らしながら巡回していますね。
そもそも、この松明かしは何のために行うのか?これは、ご先祖様が道に迷わずおうちに来られるように、目印として家の前で松を燃やすのだと言われています。
毎年、「じーちゃん、ばーちゃん、ここだよ〜」なんて言いながら松を燃やしています(笑)。
"お墓で花火" はばちあたり?いいえ、これが宮古の風習です。
お盆中のお墓参りでは、ご先祖様のお墓の前で花火をします。
お墓に着くまでに、あちこちで爆竹やロケット花火の音が鳴り響き、お墓にあるまじき賑やかさです。
子供の頃から慣れ親しんだものだったので、これが普通だと思っていましたが、普通じゃなかったみたいですね。別に特別な意味があるわけではないようですが・・・。風習って謎が多い!
いがぐり付きの栗の枝に「魔除け」効果が?
いがぐり付きの栗の枝は、「魔除け」としてお盆に必要なアイテムです。
アイテムと言っていいのかわかりませんが、毎年仏壇の上に置いています。
南無阿弥陀佛のピラピラの紙も結んでいます。
こちらも岩手県のお盆の風習なのですが、詳しい由来は不明・・・。風習って、謎が多い!!
8月いっぱいお盆な気分
ご先祖様がいるおうちでは、毎年13日の盆入り前に、お墓掃除やら仏壇にお供えするためのお盆用品の買い出しやらが始まります。仏壇に供える果物、お菓子、お花、栗の枝、お膳用の食料、それとお墓参りに持っていくお花、野菜、お菓子、蓮の葉などなど・・・。これにお寺へのお布施など、お盆は出費もすごいです。
そして13日の盆入りには、ご先祖様をお迎えに、お寺に火種をもらいに行きます。
だいたい夕方からお寺に行く人が多いのですが、お盆用の提灯(ちょうちん)片手に、ぞろぞろとお寺へ向かって行く様は、初めて見る人には「ナニコレコワイ!?」と思われるかもしれません。
そんなこんなで、お寺で火種をもらったら、火が消えないように気をつけながら家に帰り、仏壇のロウソクに移して家族みんなで手を合わせます。
「え、じゃあさっきの迎え火のくだりは何だったの!?」と思いますよね。 お盆のお供えものの1つに『仏膳(ぶつぜん)』があります。 仏膳とは、仏様にお供えする精進料理です。初めての場合は、何を作ればいいか分からないことも多くて戸惑うかもしれません。 Kari ... 続きを見る
二重に迎えてますよね・・・。
一部の宗派を除いて、同じように13日に迎え火、16日に送り火を行うそうなので、やはり8日間にわたる松明かしは宮古市独特の風習なんでしょうね。
お盆中は朝夕のお膳をあげたり、お線香をあげに来てくださる方もいらっしゃるので、家で待機しています。
【お盆のお膳メニュー】8月13日夕方〜16日朝(6回分)
そして夜は松が燃えるのをぽ〜っと眺めて1日が終わります。
めちゃくちゃ忙しいわけではありませんが、落ち着きもない感じでしょうか。
松明かしは31日で最後だし、個人的には31日までお盆が完全に終わった気がしないのですが。
しかも形式的には、16日にお寺にご先祖様をお送りして送り火も終えているので、20日、31日は、正直どういう心持ちで松を燃やしていればいいのかわかりません。
・・・が、深く考えないほうがいいですね。 風習とはそういうものです♪
番外編:松明かしに使う松には当たりハズレがある?燃える松と燃えない松
松はよく燃えると聞きますが、お盆で松明かしに使う松には当たりハズレがあります。
薪(たきぎ)で使うものよりずっと小さく、細くしたのが束になって売られていて、1番安いものは100均にもありますが、普通は一袋298円くらいです。
燃えない松(ハズレ)を買ってしまったときは、新聞紙と一緒に燃やして松に火が移るのを待ちますが、全然燃えないものだとチャッカマンの方が先に力尽きたり、松は燃えずに新聞紙だけ燃える・・・なんてことはしょっちゅうです。
松明かしをスムーズに行うためにも、ちゃんと燃える松を選びたいですよね。
↑↑こちらが比較的燃える松です。形がグネッとしたものや、トゲトゲが整えられていないもののほうがすぐ燃えてくれます(あくまで個人の経験談です)。
左が、トゲトゲを処理したまっすぐで細い松で、燃えないことが多いです。一袋の中に数本、ちゃんと燃える松があれば良いほうです。湿気とかも関係あるんですかね、そこはわかりませんが・・・。
燃えない松をなんとか燃やす方法
1. 使わなくなったフライパンなどの上にクシャクシャにした新聞紙を敷いて、その上に松を重ねます。
2. 新聞紙に火をつけて、松に火が移るのを待ちます。
3. 松が燃えるまで繰り返します。
↑↑燃えない松だけで松明かしをしていた時のやり方です。
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