メディカルアロマとクリニカルアロマの違い|看護師や医療従事者に合う資格とは?

アロマオイル

「メディカルアロマとクリニカルアロマ、どちらが自分に合っているのか分からない…」
そんな声を、看護師や介護士など、医療・福祉の現場で働く方からよく耳にします。

どちらの言葉も「医療的に活用できそう」なイメージを持たれがちですが、実はその目的や使い方、求められる知識には大きな違いがあります。
しかも、あなたの働き方やケアしたい対象によって、選ぶべきアロマ資格も変わってくるのです。

この記事では、看護師・介護職など現場で活かしたい人の視点から、

メディカルアロマとクリニカルアロマの違い
それぞれの適性と活用シーン
自分に合った資格の選び方

を詳しく解説していきます。

 

メディカルアロマとクリニカルアロマ、どう違う?

精油とノート

アロマを本格的に学びたいと考えたとき、「メディカルアロマ」と「クリニカルアロマ」という2つの言葉に出会い、混乱する方は少なくありません。

どちらも“医療的に活かせそうな印象”がありますが、その定義や活用のフィールドには明確な違いがあります。

ここでは、それぞれの特性と違いを3つの視点から解説します。

◆ どちらも「治療を目的としない」補完療法

まず共通点として押さえておきたいのが、「どちらも医療行為ではない」という点です。

メディカルアロマもクリニカルアロマも、医師の診断や処方に代わる“治療”を目的とするものではなく、いわゆる「補完・代替療法(CAM)」の一環として活用されます。

つまり、薬の代わりになるものではなく、あくまで“癒し”や“QOL(生活の質)の向上”をサポートする手段という立ち位置です。

ただし、対象者や目的に違いがあるため、必要とされる知識の深さや実践内容には違いが生まれます。

◆ メディカルアロマ=セルフケア中心/クリニカルアロマ=現場対応重視

メディカルアロマは、主に「家庭でのケアやセルフケア」を目的としており、
● 風邪のひき始めに
● 生理前の不調や冷え
● 肌トラブル、虫刺されなど

といった、軽度な不調への自然療法的アプローチが中心です。
クラフト(手作りクリームやスプレー)を通じた活用が多く、比較的親しみやすい学び方が特徴です。

一方クリニカルアロマは、より専門的な知識を備え、医療・福祉の現場で実践できるケアを目指すもの。
● 高齢者施設や病院でのタッチングケア
● 患者さんの不安や不眠に対するリラックスサポート
● 終末期ケアにおける精神的な苦痛の緩和

など、対人ケアとして“他者に提供する”実践が軸となります。
看護・介護の専門職や、アロマを本格的に仕事として活かしたい方に選ばれています。

◆ 「理論重視」と「臨床重視」の違い

メディカルアロマは理論や日常生活での活用法に重きを置くのに対し、クリニカルアロマは現場での応用力、つまり“人に触れる”責任感と安全性の担保が重視されます。

学ぶ内容にも大きな違いがあります。

● メディカルアロマの学びの中心:
・精油の薬理作用
・フランス式アロマテラピーの基礎
・キャリアオイルや基材の選び方
・ブレンドとクラフト作成のコツ

つまり、「理論や成分をベースに、安全に使いこなすための知識」がメインです。

● クリニカルアロマの学びの中心:
・解剖生理学や病態生理
・精油の禁忌・作用の臨床的活用
・タッチングやアロマトリートメントの技法
・病院・介護施設での導入事例とケアの実際

こちらは「現場のニーズに応える“臨床力”を身につける」ことに重点が置かれます。
医療従事者が安全かつ信頼性の高いケアを提供するために必要な学びが詰まっています。

Karisugi
どちらが優れているとかではなく、「目的や使う場面に合わせて選ぶことが重要」です。

現場で使われているのはどっち?臨床目線で比較

アロマオイル

アロマを学ぶ目的が「現場で活かしたい」という場合、どの資格を選ぶかはとても重要です。

特に医療・介護・福祉などの“臨床現場”での活用を考えるなら、実践で求められる知識やスキルが備わっていることが必須です。

ここでは、医療や介護の現場で実際に使われているアロマの種類と、どちらの資格が向いているかを比較しながら解説します。

◆ 医療・介護従事者が選ぶのは「クリニカルアロマ」

病院や介護施設、ホスピスなどで導入されているアロマの多くは、「クリニカルアロマ」の考え方をベースにしています。
その理由は明確です。

◎ クリニカルアロマが医療現場で選ばれる理由

解剖生理学や病態を踏まえた安全なケアができる
精油の禁忌や相互作用、リスク管理に詳しい
タッチングやトリートメント技術を習得できる
高齢者や疾患を抱える方への実践が想定されている

たとえば、終末期の緩和ケア病棟での不安軽減ケアや、認知症高齢者へのアロマハンドケアなどは、クリニカルアロマの知識があるからこそ安心して提供できるものです。

また、看護師・介護士・作業療法士など専門職の方々が資格取得している例が多いのもクリニカルアロマの特徴です。

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臨床現場では、信頼性と安全性が求められるため、科学的根拠に基づいたクリニカルアロマの知識が重視されます。
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◆ 家庭・子育て・更年期ケアには「メディカルアロマ」

一方で、家庭や日常生活の中でアロマを使いたい方には、「メディカルアロマ」のほうが手軽で実践しやすい選択肢です。

◎ メディカルアロマの活用シーン

・風邪予防や喉の不調にアロマスプレーを作る
・PMSや更年期の不調をアロマクラフトでセルフケア
・お子さんの寝かしつけに安心して使える精油を選ぶ
・スキンケアや肩こりに塗布するアロマジェルを作成

これらの用途では、高度な医療知識までは不要ですが、精油の成分や使い方の安全性を理解する必要があります
そのためメディカルアロマは、

子育て中のママ
自分や家族の健康を守りたい人
市販の薬に頼りたくないナチュラル志向の方

にとって、生活に取り入れやすい「自然療法」として人気です。

家庭でのケアやセルフメディケーションには、身近で使えるメディカルアロマの知識がぴったり!
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このように、

現場での活用を見据えるなら「クリニカルアロマ」
家庭での日常ケアなら「メディカルアロマ」

というのが、基本の選び方となります。

Karisugi
どちらもアロマの可能性を広げる素晴らしい手段。
大切なのは、「自分がどんな人に、どんなケアを届けたいか?」という視点です。

目的別|あなたに合うアロマ資格の選び方

精油

アロマ資格を選ぶ際、「何のために学ぶのか?」という目的を明確にすることが大切です。
同じ“アロマ”を学ぶ資格でも、内容や活かし方には大きな違いがあります。

ここでは、目的別にどんなアロマ資格が向いているのかをご紹介します。
あなたのニーズに合った学び方を選ぶことで、資格取得後の満足度もぐんと高まりますよ。

◆ 実践的なケアに活かしたいなら

もしあなたが、医療や介護の現場、あるいは本格的な対人ケアにアロマを活かしたいと考えているなら、選ぶべきは「クリニカルアロマ」関連の資格です。

こんな人におすすめ

  • 看護師、介護士、リハビリ職など医療・福祉従事者
  • 終末期や高齢者のケアにアロマを導入したい人
  • 科学的根拠を持って安心・安全にケアしたい人
  • 将来的にアロマ講師やセラピストとして活動したい人

◎ なぜクリニカルアロマ?

クリニカルアロマは、解剖生理学や皮膚科学、病態別の精油選定など、「臨床に強い」知識と技術が身につくのが最大の特徴です。
香りの癒し効果だけでなく、「なぜこの精油をこの症状に使うのか?」というロジックと根拠を重視するので、現場での説得力も抜群です。

例:術後の不安・不眠への精油活用、認知症ケアでのタッチング、看取り期のアロマハンドトリートメントなど

おすすめ資格
・日本統合医学協会「クリニカルアロマインストラクター資格」
(医療従事者や介護職が多く取得。講師活動も可能)

クロニカルアロマインストラクター資格取得講座 公式サイト

◆ セルフケアや周囲の人を癒したいなら

「家族の健康を守りたい」「香りを生活に取り入れたい」など、日常のセルフケアや身近な人のサポートが目的であれば、メディカルアロマ資格が向いています。

こんな人におすすめ

  • 小さなお子さんや家族の健康管理をしたい
  • 更年期やストレスなど、自分の不調に香りを取り入れたい
  • ナチュラル志向で、薬に頼りすぎないケアを学びたい
  • アロマクラフトや自然療法に興味がある

◎ なぜメディカルアロマ?

メディカルアロマは、精油の成分や作用を理解しながら、市販薬に代わる“自然な手当て”としてのアロマの使い方を学べます。
クリニカルアロマのように解剖学的な専門性は求められませんが、家庭や生活に直結する実用的な知識が得られます。

例:風邪の季節に使える精油ブレンド、PMSケアジェル、更年期のイライラ・不眠にアロマスプレーなど

おすすめ資格
・各団体の「メディカルアロマ」講座

メディカルアロマインストラクター資格取得講座 公式サイト

Karisugi
あなたが「誰に」「どんなケアを届けたいか?」によって、選ぶべきアロマ資格は異なります。目的に合った道を選べば、学びも活用もきっと楽しく、充実したものになるはずです。

まとめ|違いを知って、最適なアロマの学びを

メディカルアロマとクリニカルアロマは、どちらも「自然の力で人を癒す」素晴らしいツールですが、学ぶ目的や活用シーンによって選ぶべき資格は異なります。

「自分や家族のケアに安全に取り入れたい」 → メディカルアロマ
「患者さんにもっと寄り添えるアロマケアがしたい」 → クリニカルアロマ

あなたの今の立場と未来のビジョンに合った学びを選んで、アロマの力を最大限に活かしていきましょう。 
 
メディカルアロマ資格に興味がある方はこちら
メディカルアロマインストラクター資格取得講座】の詳細を見る

クリニカルアロマを本格的に学びたい方はこちら
【日本統合医学協会 クロニカルアロマインストラクター資格取得講座】へ 
 

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この記事を書いた人Karisugi
主にアロマテラピーやCBDを用いたセルフケアに関する記事を発信。医療系、アロマテラピー、CBDの資格保持。人間の大敵「ストレス」を緩和する方法やアイテムを紹介している。ほかにも美容・健康、資格に関することなどのんびり更新中。

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