虫除けスプレーに含まれるシトリオジオールが、新型コロナの消毒に有効だとする予備研究結果を、英国防省の研究機関が発表したそうです。
虫除けスプレー成分絵新型コロナ消毒可能、英予備研究 >>
例のごとくドラッグストアやスーパーに駆け込み客が殺到しそうな話ですが、ホントにちょっと待ってください。
虫除けスプレーに含まれる成分「シトリオジオール」をどういうふうに使って、新型コロナウイルスに効果があったか、ここ大事ですよ。
この「シトリオジオールを含む虫除けスプレーを空気中にスプレーすれば、新型コロナに効果がある」という研究結果ではないんです。
シトリオジオールってなに?
シトリオジオールは、ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)から抽出されたものです。
精油の虫除けスプレー作りにもよく使われていますよね。
ですが今回使われた『シトリオジオール』は、ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)の葉からCitrefine社独自の技術で人工的に変質させた油剤です。
なので、ユーカリ・シトリオドラ(レモンユーカリ)精油の成分表を見ても、シトリオジオールという成分は含まれていません。
虫除けスプレーをスプレーしても効果はない?

今回の研究で分かることは、
空気中にスプレーしたときの抗ウイルス効果についての研究結果は発表されていないこと、
高濃度の虫除けスプレーを使うことで、ウイルスが著しく減少し、不活化した
ということです。
高濃度ってどれくらいでしょうか・・・。その発表はされていません。
今回の研究では、シトリオジオールという液体の中に新型コロナウイルスを入れたとき、効果があったというものです。
シトリオジオールを含む虫除けスプレーを、予防として部屋中にスプレーしたときの効果はわからないし、そもそも「虫除け」のためのスプレーなので、人が何度も吸い込んでいいものじゃない気がします。
まとめ
今回のシトリオジオールを含む虫除けスプレーに関する研究結果については、次のような解釈でいいと思います。
● 高濃度の虫除けスプレーを使うことで著しく現象し、不活化した。
→ 一定の条件下では新型コロナウイルスに有効。
空気中にスプレーしたときの抗ウイルス効果については不明。
「高濃度」がどれくらいか明示されておらず、市販の虫除けスプレーとの比較もない。
つまり、『シトリオジオールを含む虫除けスプレーだけで予防ができる』と考えるのはまだ早いです。
今回の研究結果は外部の査読を受けていないとのことで、これからまた評価が変わるかもしれませんが、今のところは血眼になって買い求める必要性はなさそうです。
